その猛毒、致死量

「高尾…」

蛍光灯の明かりが煌々と灯るロッカー室の片隅へ追いつめた相手の瞳を除き混むように屈む、目の前の緑に体が硬直する。

「っ、真ちゃ…な、なあに?」

必死で平素を装い、無理矢理な笑みを顔に浮かべれば不満そうに歪む目の前の瞳。

「最近俺を避けてるだろう……どうした。」
「べ、つに……何も」
「嘘をつくな高尾、」

目をそらし、誤魔化そうとすれば顎を捕まれ無理矢理に視線を合わされる。
その瞳に潜む闇に目を凝らすようにして、うかがいみた。

「………嫌いに、ならない?」
「……なに?」
「オレのこと……嫌いにならない?」

そう聞けば、はあ、と大きくため息を吐いて抱き締められた。

「なるわけがないだろう、ほら、言ってみろ」

その温もりにほだされたように、ポツリポツリと語り始めた。

「真ちゃん、オレ……っ、オレ一昨日の帰り道、一人で帰ったじゃんか?」
「ああ、そうだな」

最初の一文が出れば、あとはもう、楽だった。

「そんときに…後ろから誰かに襲われて、必死で抵抗したけど全然叶わなくて………オレ、オレ……っ、」
「高尾……」
「しんちゃ、ごめ、っふ、きら、に…ならな…うぅぅ、」

嗚咽と一緒にただ、「ごめんなさい」と「きらいにならないで」と繰り返し、背中に回した腕ですがるように抱きつく。

「高尾泣くな、高尾……大丈夫、大丈夫だオレがいる」

その言葉と一緒にゆっくりと唇に触れる柔らかな温もりが恐怖を溶かしてくれるようで。

「、しん、ちゃ……んぅ」
「俺がおまえを嫌いになるなどあり得ない」
「真ちゃ……」
「俺は、おまえを愛しているのだから。」
「しんちゃ、」

じわりとまた目尻に浮いた涙の粒をなめとって耳元に唇を寄せられた。

「高尾…高尾………アイシテル」





……高尾を襲った犯人は緑間で、高尾もそれを何処かで解っている。自分のせいで緑間が歪んでしまったと自分を責めつつ、愛されていることが痛いほど解るのがとても嬉しくて指摘もできないそんな歪みきった愛を書きたかったのにただの駄文になってしまいました…文才欲しい……orz



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