かくもうつくしき白昼夢
「イブ!早くアタシの手を!!」
差しのべられた手をとって、私はそのまま『絵空事の世界』という絵画の中に飛び込んだ。
ぱちり、
まさにそんな音がしそうなほど、私の意識は急に覚醒した。
「あれ…?」
さっきまで、誰かとどこかにいた気がしたのに。
何をしていたのか、全く思い出せなかった。
私は……何を……
「あ、お父さんお母さんと一緒にゲルテナ展を見に来たんだ……」
後ろを振り向けば『絵空事の世界』というタイトルの絵。
前半の三文字の漢字が読めないけども、とても大きな絵だという言葉わかる。
「お父さんとお母さん、探さないと……」
ととと、と軽く早足で歩く。
大きな赤い薔薇のオブジェを眺める背の高い男とこの人の後ろ姿をみたその瞬間に、ドクン、と心臓が弾んだ。
「あの!」
思わず声をかけたあとで、何をやっているんだと、焦った。
「あら、どうしたのお嬢ちゃん」
わたわたと内心慌てる私に不思議そうな声をあげる男の人。
「あ、えぇっと……な、何みてるのかなあって……」
「は?……いや、何ってこの薔薇のオブジェだけど……、」
デスヨネー、と苦笑いを浮かべる。
「……このオブジェみてるとね…なんか切なくなるのよねえ。何でかしら……って、こんなこと急に言われてもわからないわよね。ごめんなさいね、」
イブ、と彼が私の名前を口にしたとたんに、きゅうぅ、と心臓が締め付けられるような感覚がした。
「あれ?イブって、誰?」
「あの、私の名前、です。」
「あら、あなたイブっていうの?なんで知ってるのかしら、アタシ……」
「まあいっか、」と軽く流して「それじゃあね」と手を降る彼の姿になぜか焦燥感が沸き上がる。
「あら、このハンカチ……こんなのアタシ持ってたかしら?」
「あ!それ私の……!!」
「え?『Ib』……って確かにアナタの名前が刺繍されてるわね。はいこれ、」
「え、」
「立ってこれアナタのでしょ?ほんと、なんでアナタのハンカチがアタシの手に巻いてあるのかしら……怪我してるわけでも……」
その一言が発された瞬間、すべてがフラッシュバックする。
不思議な美術館。
動く石像に動く絵画。
繋いだ手。
暖かい励ましの言葉。
……約束。
─────ここから出たら、一緒にマカロン食べにいきましょ!
「…………い、ぶ?」
「ギャリー……、」
「そうよ、アタシ……なんでこんな大切なこと忘れてたのかしら……イブ、アタシ達あの変なところから出られたのね?!」
「ギャリーっ!!」
ぎゅう、ときつく抱き締められればさらに大きくなる胸の鼓動。
彼の優しい温もりが、嘘じゃないと教えてくれる。
「ね、イブ。このハンカチなんだけど……」
「???」
「しばらく貸してもらえないかしら。汚れちゃってるし、ちゃんと洗って返したいの。」
「うん、じゃ……」
「また、絶対に会いましょうね!」
マカロン食べに行くんでしょ、そう、笑う彼に私はただ、「うん!」と頷いた。
それはそれは、ただうつくしい、
(ある少女の初恋を描くのです。)
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Ibをプレイして、すごく感動したので衝動的に書いてしまいましたww
5つあるエンディングの中でも一番いいエンディングの『再開の約束』と言うエンドを丸々文章にした感じですね……文才無さすぎて泣ける……っていうか、サウンドノベルゲームを文章で起こすのは難しい!!いや、普通にwww
べ、別にうまく表現したいことが表現しきれなかったことに関しての負け惜しみとかそんなんじゃないんだからね!!……とか無駄にツンデレてみても意味ないわけでwww
お姉キャラなのに9歳の幼女に対してちょっとムラッとしちゃう狼なギャリーさんも、男らしい9歳の幼女にきゅんきゅんする乙女なギャリーさんも可愛らしいし、美味しいと思いますwww
頭からワカメはえてようが、茄子っぽかろうが関係ねえ!ギャリーさんがイケメンって事実は曲がらねえ!!wwwwww
下らない管理人のぐだぐだに巻き込んでしまい申し訳ございませんorz
ここまでみてくださった方はもれなく天使の称号を!ww
閲覧ありがとうございました。
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