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光指す扉を抜けたその向こう。そこには……

「お待ちしておりました!審神者様!!」

やけにテンションの高い歌舞伎メイクの狐がいました。

「えっと…未来ではぬいぐるみが自分でしゃべるし動くのか?」
「ぬいぐるみではございませぬ!わたくしはこんのすけ!審神者様をサポートするべく政府から派遣された式神でございます!」

ぷんすこと怒る狐のぬいぐるみのように可愛らしいもふもふとした見た目に思わず抱き上げてその毛並みを堪能する。

「おお…これはなかなかな……」
「や、やめてください!こんのすけは愛玩動物じゃないんですよあああああそこもっとなでてくださいいぃ」
「完堕ちはやっ!」

耳や顎を撫でられてご満悦な様子のこんのすけを眺めてむすくれた加州が寄ってくる。

「ねえ、あるじ」

俺は?と絶妙な角度であざとく潤んだ瞳で上目遣いで袖を引きながら見上げてくる加州に思わず脳内の妹が大歓喜の声を上げる。やめろ愚妹俺はホモじゃない。

「あー…加州もよしよし。」

ぽふりと頭頂部を軽く撫でれば、加州の背後からぽぽぽぽぽと桜が舞う。え?桜?

「イケメンの背後からはバラの花だけじゃなくて桜も舞うのかよ…自動背景効果スゲエ」
「池面???」
「んんん…加州は顔が綺麗だねって事だよ」
「っ?! そっ、んなことないしっ!!!!」

真っ赤になってどもる加州の頭を弟がいたらこんな感じかな〜と思いつつ撫で続ければ「腐女子が喜ぶ展開ですね」と腕の中の狐が声を上げる。

「俺の愚妹の仲間に糧を与える気はないぞ?!」
「? あるじ?もう撫でてくれないの?」
「とりあえず加州かわいすぎな」
「っ!!!!」

審神者ってこうやって刀剣男士と愛くるしいぬいぐるみと戯れてれば良いだけなのか…なんだ楽な仕事じゃねえか。
こうして俺たちの日々は平穏無事に過ぎていったのだ〜完〜



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