小ネタ | ナノ

夏が終わることに今更悔いが残るハートのみんな

#夏っていろいろやってもやり足りないよねっていう話

「てかなんで夏は私の許しを待たずに過ぎ去ってしまったのかが理解に苦しむっていう話なんですよ。」
「俺は今日の掃除当番がお前なのにも関わらずソファにふんぞり返ってゲームしてるお前の神経こそ理解に苦しむ。そこどけ、掃除機かける。」
「キャプテン、由々しき自体なんですよ!?こうしている間にも刻一刻と夏は終わっていくんです!スイカだって食べ足りないし、海だって生きたりないしワクワクざぶーんはあと二十回は行きたいし、花火大会ももう一回ぐらい見たいし、盆踊りも踊り足りないし、カブトムシも採ってないし、流しそうめんももう一回くらいしたいし、コミケのあの死にそうな空気ももう一回くらい嗅いどきたいし、入道雲見ながら『あの雲、中にラピュタがはいってる!』って言いたいし、時かけみたいな恋愛キャプテンとしたいし、まだ今年トトロ金曜ロードショーで見てないし」
「掃除機しねえならゴミ捨てとけ。早くやんねえとお八つ抜きだからな。」
「ゴミ出しに行くよベポ!」
「今日は燃えるゴミの日だね!」
「ついでに回覧板も出しとけ。ペンギンとシャチが出し忘れてもう三日も止めてるからな。」
「アイアイキャプテン!」



#今年の金ロートトロじゃなくてぽんぽこだったね、別に好きだけど


「ペンギン、リモコンとってー」
「ん。あ、そういえば今年トトロやんなかったな。」
「今年ぽんぽこだったじゃん。」
「あーたぬたぬね。あれ結構好き。」
「トトロには負けるっしょー」
「いや、そんなことない、たぬき可愛いもん。最後死んだりしてかわいそうだけど私は勲を応援するよ。」
「駿派なんでね。」
「俺もぽんぽこ好きだけどな。」
「お。シャチも勲派?」
「いや、そういうわけじゃねえけどきんたまで空飛ぶとか結構アクションあって面白いじゃん。」
「そこかよ。」
「トトロかたぬきかどっちかって話なの!きんたまの話じゃないの!」
「おい、女が金玉金玉言うなよ。」
「そこまで金玉金玉いってないわ!」
「でけー声で何言ってやがる、近所迷惑だろうが。通報されても知らねーぞ。」
「「「キャプテン!」」」
「キャプテンはトトロ派っすよね!」
「たぬきが可愛いですよね!」
「どうでもいいことで言い争ってんじゃねえよ。」
「とても重要なんです。キャプテンはどうなんですか!」
「俺は………………………ベポのが可愛いだろ(小声)」
「「「あっ…………(察し)」」」


#蝉の成虫の寿命って七日だけど地中に七年もいるんだね

「ぎゃああああ!」
「どうした玄関口ででかい声出して!」
「シャチ!たっけて!奴が…!」
「やつ?あ、セミじゃん。死んで…
ジジジジジジジジジジジ……
ないな、生きてんね。」
「そうなんだよ!すっかり騙されたわ!何なのよ、もう!玄関のとこで転がってたからもう死んでると思って箒で触れた瞬間のたうちまわり始めたのコイツ!」
「まあ、許してやれよ。セミって一週間ぐらいしか生きれないし、道端でよく踏まれてるし可愛そうじゃん。」
「やだよー。だってあいつら外側もキモイけど内側はメタリックでなおのことキモいんだもん。てか生きてるくせに死んだように道端に転がるなよ!」
「でもこいつらの死骸を見るたびに夏も終わったなーて哀愁を感じるんだよなー。なんかせつなくなるっつうかさ。」
「こんな哀愁いらんわ!何この〜夏の忘れ物〜みたいな、いらんわ!生きるか死ぬかどっちかにしろ!嵌めるな私を!」
「お前ら『セミファイナル』の見分け方も知らねえのか?」
「あ、ペンギン。」
「何よその『セミファイナル』て。」
「『セミファイナル』っつうのは、足が開いてるか揃ってるかの違いで死んでるかまだ生きてるかわかるんだ。足が開いてりゃまだ生きてる、閉じてりゃ死んでる。」
「マジか!そういえばコイツ足開いてたよ!だから生きてるんだ!」
「そーゆうことだな。」
「恐るべし『セミファイナル』……」
「皆ただいまー!お土産に銀だこ買ってきたよー!」
「玄関掃除終わったか。」
「「「おかえりなさーい」」」
「何だ、まだ捨ててねえじゃねえか。」
「キャプテン、それが大事件が起きて!」
「大事件?お前らのことだから、どうせロクなことじゃねーだろ。」
グシャ
「「「あっ」」」
「あん?」
「キャプテンセミ踏んだ……」
「…………。」


#来年も皆で花火ができますように


「ねーねー、花火まだ余ってるから今日土手に行ってやろ!ベポバケツ持って!」
「うん!キャプテンも行こ!」
「めんどくせェ。」
「そんなこと言わないでくださいよー。行きましょうよー。」
「俺たちも帰りにドラックストア寄って替刃買うから行くっす。」
「……そういえばお前らがゲームばっかしやがるから単三電池なくなってきてたな……ついでに行くか。」
「いえーい!」

土手到着

「うわあ、全然人いないやん。」
「流石にこの時期に人はいないだろうなあ。」
「とりあえず火起こそうぜ!」
「待て、バケツに水を入れてからだ。ベポ、行くぞ。なまえは袋開けとけ。シャチはライターまだ付けんなよ。ペンギン、ロウソク準備しとけ。」
「「「はーい(キャプテン楽しそう)」」」

準備万端

「うおおおー!俺のめっちゃ火力やべえ!」
「うおお!すげえ!ちょー綺麗!」
「二人共毛につくからあんまりくっつかないで!」
「キャプテン!私はこの打ち上げ花火がやりたいであります!」
「わかったから落ち着け。あぶねえから俺が付ける。後ろ下がってろ。」
「はーい!」

シュルシュルシュルシュル……ドーン…ッ!

「「「「おおー!」」」」
「「「「「………」」」」」
「……意外とこんなもんなんだよな、市販の打ち上げ花火って。」
「まあでもないよりかはいいんじゃね。」
「うん。私、線香花火しよーっと。ベポ線香花火とって。」
「うん。キャプテンも一緒にやろ。」
「ああ。」

ジリジリジリジリジリ……

「「「…………。」」」

パチパチパチジリジリパチ……

「おっやばい、ピークきた!」
「俺も来たよ!」
「………。」
「落ちるな落ちるな!」
「しーっ!なまえ静かに!落ちちゃうよ!」
「てか写真撮ってなくね。」
「そういえばまだとってねーな。写真撮ろうぜ。」
「いいね。皆ちょっと寄ろ。キャプテンも恥ずかしがってないでこっち来てください。」
「な、恥ずかしがってねえよ…」

カシャ

「あー!今ので落ちたわ!ペンシャチのバカ!」
「俺達のせいかよ。」
「俺のも落ちた……キャプテンは?」
「………まだだ。」
「すごい!」
「キャプテンお願い事は!?」
「俺は…、」
「リア充になれますように。」
「リア充になれますように。」
「キャプテンと結婚できますように。」
「明日の夕飯にステーキが出ますように。」
「なんでお前らが願ってんだよ。つうかロクな願いがねえな。」
「で、キャプテンは?」
「……………言わねえ。」
「「「「……むっつり」」」」」
「誰だ今言ったの。」
「よーし、全部なくなったし薬局よろーぜ。」
「おーう。」
「おい、てめえら人の話聞け。あとちゃんと火消せ、ゴミは持ち帰れ。」


2015.09.21.

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