エースがむっつり 日差しを浴びて、なまえは眩しそうに目を細めた。肌の露出した所は太陽の光で照らされて、その白さを増した。歩く度にゆらりゆらりと揺れる髪を横で見ながら、黙ったまま歩いていた。道の横には幾つもの木々が生い茂り、その沢山の葉が、頬や、腕、足に影を写し出した。そよそよと吹く風が、幾千もの葉を揺らし、ざわりざわりと音を奏でる。正午をちょっと過ぎた公園は夏らしい暑さと、風の涼しさで居心地がよかった。もうどれ程歩いただろうか。それさえも忘れてしまう程だった。自分から誘っておいて何もせずただただ歩くだけを繰り返して、流石に彼女も呆れているに違いない。 「もうお昼だね」 「ああ。」 朝から歩いたせいか、足がひりひりする。きっとサンダルを履いているなまえはもっと疲れたに違いない。だがなまえは少しも嫌な表情はせず、俺に歩幅を合わせるようにして歩いていた。今日こそ成そうと決意して誘ったはずなのに。ポケットに突っ込んだままの右手が歯がゆくて仕方がなかった。 「疲れたか?」 「ううん。」 「そうか。」 笑顔でそう答えるなまえが、愛しいくて、それと同時に哀しくも思った。無理してるに違いないのに。自分が情けなく思えて溜め息さえ出た。 「無理しなくていいぜ」 「無理してないよ。」 「ずっと歩いてるだけじゃつまんねえだろ?」 「ううん、エースといるだけで楽しいから。」 「……。」 日差しを浴びて、なまえは眩しそうに目を細めた。肌の露出した所は太陽の光で照らされて、その白さを増した。歩く度にゆらりゆらりと揺れる髪を横で見ながら、道の横には幾つもの木々が生い茂り、その沢山の葉が、頬や、腕、足に影を写し出した。相変わらず風は途切れることなくそよそよと吹き、幾千もの葉を揺らし、ざわりざわりと音を奏でた。さっきまでと違うのは右手に突っ込んだままだった右手が今はなまえの小さな手を握っていることだけだった。 そっと結んで title selka. |