恐怖なんてこの手で
打ちのめせばいい
でも
それが出来ない時もあるんだよ




「で?」
「あはー、まさか本当に来てもらえるとはー」
「夜中に電話してきて『助けてください』とか言うから来てみたら何?ホラー番組見て家に一人きりが怖いとかふざけてる?」
「だって雲雀さん!あの窓見てください!」
「…見たけど」
「真っ黒でしょう?!」
「夜だからね」
「もし!」
「ちょ、かお、近っ…、」
「あの真っ黒な窓から何か幽霊的なのが覗きこんできたらどうするんですか!」
「…殴れば?腕っぷしはいいんだから」
「窓が割れます。何度それで叱られたと思ってんですかー」
「(殴ったことあるんだ)…窓開けてから殴るってことは考えないのかい」
「それに幽霊には実体がないから殴れませんよ、雲雀さん大丈夫ですか?」
「…帰る」
「待ってくださいよぉー」
「うわ、引っ付くな!」
「あ、ほら!今から一戦やりません?そしたら幽霊も怖くて近寄らないかも」
「君の息の根止めてあげるよ」
「やった、戦ってくれるんですね!」
「それで君も幽霊の仲間入りしたら幽霊なんて怖くないだろ」
「……雲雀さん…」
(…言い過ぎた、かな)
「ナイスアイディアです!さ、やりましょやりましょ!」
「…はぁ」
「あれ、雲雀さん?早くー!」




不可思議彼女との怪喜話

(恐怖で一杯だったはずなのに今は嬉しさで一杯!)



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