- ナノ -




「はあーあ…」


私は、自分の部屋の窓からミアレシティを見下ろし、ため息をついた。
こちらに来た日の事を思い出してしまった。

あれから一年が経った。私は16歳になり、この世界に馴染むため勉強に励み旅をしたら、カロスのジムを制覇したりした。しかし、この世界には、まだまだ知らないことがある。


「あら、カナちゃん、出かけるの?」
廊下を歩いていると、リビングから母さんが顔を出して尋ねる。私は頷いて玄関へ向かう。

父さんと母さんは最初は驚いていたが、すぐにポケモン世界に順応し、私とともにいてくれる。
そんなに2人に、とても感謝している。
ちなみに、ミュウが用意してくれた家は、ミアレシティの高級アパートだった。しかも一部屋買収。すげえ。

で、そんな安定した環境で、私はなんだかんだ自由に生活している。
殺されたのは悔しいし辛いけど、今もまあまあ幸せだから気にしないことにして、私は今日も、ポケモン世界での日々を謳歌する。

「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」



さあ、今日は何をしようかしら。



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