!注意!
学パロ・攻め男主でホモ色強めのお話。

*


「やぁ、相変わらずシケた面してるね」

「…うるせぇな、別にお前には関係ねーだろ」

「その様子じゃどうやら今年も収穫は乏しかったようだね、霊幻くん?」

「今年は三個も貰えたんだから大飛躍だよ、バーカ」

「去年と大して変わらないじゃないか。一、二個違うくらいで大袈裟だね」

「嫌味か。お前顔だけは良いもんな、顔だけは」

「…ホント可愛くないなぁ、口だけは達者なんだから」

「キレイな顔してさらっと辛辣な言葉を吐くお前よりはマシだ」

「僕が毒を吐くのは君限定に見せるデレみたいなモンだからいいんだよ」

「笑えねぇって、それ。…それで今年はいくつくらい貰えたんだよ、色男が」

「へぇ、わざわざ聞きたいのかい?」

「…やっぱいいわ、虚しくなるだけだからよ」

「ふうん、まあいいけど。それにしても霊幻がこんなに貰うなんて誤算だったよ」

「はっはーん、お前のことだから例年通り俺を冷やかしに来たんだろうがそうはいかないぜ」

「ホント意表を突かれたなぁ。こんなんじゃせっかく用意したアレも用済みだ」

「ん?なんだよ用意したアレって」

「いや、どうせ収穫なしだろうと思ってね。可哀想な霊幻を気遣って僕からチョコを贈ろうと思ったんだ」

「それ余計傷付くっつーんだよ、バカ」

「心に残るバレンタインデーにしてあげようと思って。…でもせっかくの手作りなのに勿体ないなぁ」

「…オイ、何が言いたいんだよ」

「せっかく霊幻の為に心を込めて作ったのに受け取って貰えなくて残念だなって」

「うっ…し、しょうがねぇな。そこまで言うなら貰ってやるよ」

「(単純なヤツめ…)そうかい?僕なんかが作ったチョコで悪いなぁ」

「まぁ、食べ物に罪はないしな…おっ、中々可愛いラッピングじゃねぇか」

「そうだろ?一応形くらいは可愛くしてあげようと思ってね」

「そういやお前手先器用だったもんな、そこらの女顔負けじゃねぇの」

「ふふっ、せっかくだし食べてみてよ」

「…一応聞くが、毒とか入ってねぇだろうな?」

「嫌だな、さすがにそんなもの仕込んでるわけないだろ」

「悪ぃ悪ぃ、つい防衛本能でな。じゃあ遠慮なく頂くぜ…んっ、旨ぇ!」

「ふふっ、そりゃ良かったよ」

「マジで旨ぇよ、お前オレのお袋より作んの上手かも」

「そんなに言って貰えるなんて光栄だな。そうだ、僕にもちょっとだけ味見させてよ」

「おう、別にいいけど…んんっ…ぅ!?」

「ん…甘ったるい。どうもやっぱり甘い物は苦手だなぁ」

「お、お前何でキス…ッ」

「あっ、ひとつ良いこと教えてあげるよ。昔からチョコレートには媚薬効果があるとされててね、相手を自分に夢中にさせる効果があるんだ」

「な、何だよそれ…」

「まだ分からないかい?この僕が君を夢中にさせてやるって言ってんの、新隆」


胸焼けするくらい甘く
(不覚にも跳ねた胸は既に重症)







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