▽会話文のみ 「ねぇ、露伴ちゃんって赤いキツネと緑のタヌキどっち派だっけ?」 「僕は基本インスタントなんてものは食わないから分からん」 「そりゃあ毎日ちゃんと私のお手製ですからね、岸辺露伴大先生?」 「…お前と同じやつでいい」 「じゃあキツネね。年越しそばというより年越しうどんになっちゃうけど」 「大体最初からお前が作れば良かっただろ、料理好きのお前にしては珍しいじゃないか」 「だって昼間の大掃除で露伴ちゃんがこき使うもんだからすっかり疲れちゃったんだもん。」 「いい運動になって丁度いいじゃないか。どうせお前は毎年寝正月で散々体重が増えるんだからな」 「ちょっと、それセクハラっていうのよ!…大体何で露伴ちゃんがそんなこと知ってるわけ?」 「フン、お前のことなら何だってお見通しさ」 「あははっ、何それ口説いてんの?…あっ、もしかしてヘヴンズ・ドアで見てたり…」 「お前程度にヘヴンズ・ドアなんてもったいなくて使えるかよ。もっと単純な話だよ」 「あら、単純って言いたいわけ?すいませんねぇ、判りやすい人間で」 「…単純もなにも、僕の上で散々喘ぎまくるんだから逆に分からない方がおかしいだろ?」 「ッ〜〜!露伴ちゃんのスケベ!この変態!!」 「ハッ、散々厭らしくよがってる股の緩い淫乱に言われたくないね」 「し、知らない!そんなこと言ってると露伴ちゃんの分のキツネ無いからね」 「オイオイそんな怒るなよ、せっかくの大晦日だぜ」 「…何よ、いきなり」 「まぁその…悪くなかったぜ、お前とこうして過ごした一年も。だから来年も、この岸辺露伴様の隣に居ることを許してやる」 「え、ちょっ、どうしたの露伴ちゃん?」 「…一年の最後だからな、たまには甘えさせてやろうかと思っただけだ」 「――ふふっ、来年もこうやって二人で赤いキツネ食べながら年越し出来たらいいなぁ」 「ったく、色気も無ければムードもないヤツだな。」 こうして夜はふけていく (おばあちゃんになっても、こうして二人で) |