▽会話文のみ 「…最近あまり顔を見せられなくてすまない、久しぶりだな」 (『ううん、大丈夫だよ。ジェノスが元気ならそれでいいの』) 「ほら、お前の好きなチーズケーキも持ってきたんだ。中々上手く出来てるだろ、俺が作ったものだ」 (『覚えててくれたのね、嬉しいな。ジェノスが作ったの?凄いじゃない、少し前までは包丁すらまともに持てなかったのに』) 「なに、そんなに心配するな。お前に頼らなくても料理くらい出来る」 (『そっかぁ…何か雰囲気変わったねジェノス。私と会わないうちに何かあったの?』) 「この前話したサイタマ先生のことは覚えているな?ようやく願いが叶って、この前から正式に弟子が叶った」 (『ああ、あの凄く強いっていうハゲ頭の人のことだね。良かったじゃない、ずっとジェノスその人の話ばかりしていたもんね』) 「今は一人じゃなく、先生との二人で暮らしている。だからそんなに心配するな」 (『うん、ジェノスが寂しい思いしてなくて安心した。』) 「…もう二度と四年前のようなことが起きなくてすむくらい強くなる、お前に誓ってそう決めた」 (『…うん、頼んだよ。これはジェノスにしか出来ないことだから』) 「お前を守れなかったあの日から俺はずっと、ずっと後ろを振り向いてばかりだった。だから今日は一旦区切りをつけにきた」 (『そっか、ようやく前を向いたね、ジェノス。』) 「俺はお前を守れなかった、その事実は揺れ動かない。」 (『…そんな、ジェノスのせいじゃないわ。』) 「もしかしたら俺はその事実に気付きたくなかっただけなのかもしれない、でもそれじゃ駄目だ。」 「だからもう振り向くのはやめにする。…しばらくは此処に来ることもないだろう」 (『うん、それでいいの。それがジェノスが決めたことだもの』) 「…いつまでもお前を愛している、だから少しだけお別れだ」 (「そうね、ジェノスは私に縛られちゃいけないわ。貴方には貴方らしく生きて欲しいの」) 「お前に認めて貰えるくらいに強くなったらまた迎えに来る…いってきます」 (「うん、いってらっしゃい」) しにんにくちなし (冷たい土の下でまた眠り続ける) ※四年前の災害で既に死亡している彼女のお墓参りにきたジェノスくん |