※海外マス インエメ
インゴさんはドS、エメットさんはドMって信じてる。
インノボ表現あり。




砂煙が舞うなか、勝利の旗があがる。最近の挑戦者はどれもこれも骨のない奴ばかり。僕のパートナーたちもつまらなさそうにしている。
でも僕は案外上機嫌。何故って?
だってもうすぐシングルトレインも終点だから。インゴに会える。
ドアが開いて見えたのは黒と煙。

「イーンゴッ!」

カツッと音を立てた靴に、インゴはこれまた心底嫌そうに眉を寄せた。右手には煙草を持って。
これだけ見たら人相悪すぎて笑っちゃう!


「何ですエメット。またお前ですか」

インゴは僕の事がきっと嫌い。
僕の顔を見る度、眉間に皺がよって、必ず煙草を吸う。

「ねぇ、こないだノボリが来てたけど、
何かあったの?」

笑みを交えて問いかけると、気がついた時には壁に押し付けられていた。インゴの鋭く冷たい視線が降り注ぐ。
(やば、ゾクゾクするかも)
胸ぐらを掴むインゴの手に力が入る。その度に背筋がゾクッてする。

「…お前が気にする必要はありません」
「ノボリにはあんな事するのに、僕にはしないんだ」
「…何を、」
「頭撫でたり抱き締めたり、キスしたり、」
「私が?お前に?」



有り得ませんね。



そう言われパッと離された手。
インゴはそのままどこかに歩いて行った。
ノボリを撫でる時のインゴのあんな顔見たことない。あんなに優しそうな顔知らない。誰も知らない一面って、一番身近の僕が知るべきじゃない?
どうしてノボリが知ってるの。どうして僕じゃないの。
誰も知らない一面を知ることが悦なら、僕はどうすればいいの。

蹲っても何も出ない。出るのは喪失感だけ。インゴは僕のじゃない。でもインゴが好き、でもインゴは僕の事嫌い。

「…インゴ、インゴ…」
「ホームに蹲る馬鹿がどこに居ますか。」
「……インゴ…?」

どういう風のふきまわしか、彼は僕の前に立っている。
でも眉間の皺は相変わらずだ。

「あとさっきから煩いです。…次マルチなんですから早くしてください」
「インゴ…インゴッ!待って、今行くからっ…!」

冷たいのに、優しくないのに、どんどんインゴにはまってる僕はどうかしてる。
笑っちゃうくらいね。











インエメ…?むしろイン←エメ

インゴさんは酷い人だと良い。
エメットさんはドM

題名『空想アリア』様より



                


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