※Xmas記念 意味もなくフリー配布です クリスマスの飾りで町が覆い尽くされる夜、右手には仕事用の鞄、中には愛するあの子へのプレゼント。左手にはこれもまた愛するあの子へのクリスマスケーキ。寒さも忘れるくらいに暖かい気持ちで家に帰った。幸いクダリはプレゼントには気付いていないようでした。 「クダリ、今年はサンタ様に何をお願いするのですか?」 ネクタイを解きながらゆるりと問うと、クダリは何故か俯いて、「ぼくプレゼントいらない」 「は…?な、何故…」 「だって、ぼくいっぱい悪いことした」 「悪いこと…?」 自分には弟の言う悪いことというのが1ミリも思い浮かばない。 少し目を泳がして考えていると、クダリが口を開いた。 「…ノボリのおやつ食べちゃったり、バチュルのこと、あんまりかまってあげられなかった…いっぱい悪いことした。今年ぼく悪い子、だからプレゼントもらえない」 「クダリ…」 なんて良い子なのでしょう!そんなことにすら悪意を感じる貴方にブラボー、スーパーブラボーです! …いやいやそうではなくて、いやそうなのですが。 涙目で言うクダリに居てもたっても居られなくなって頬に、そっと手を滑らせ、 「そんなことありませんよ。クダリは良い子です。何より、居るだけで周りをこんなにも明るくしてしまう貴方に、悪い子という言葉は似合いません」 嗚呼、我ながら恥ずかしいことを口走ってしまった。 「ホント…?」 「はい、それより、早く貴方の大好きなケーキを食べましょうか」 「うん!」 ケーキを見て目を爛々と輝かせるクダリ。なんて天使。 柄にもなく今夜は寝かせませんよなんて言ってみましょうか。おや、それではとんだ性夜ですね。失敬。 ふせていた目を上にすると、肩にバチュルを乗せて鼻唄を歌いながらケーキを切り分けるクダリが。 「ノボリ!」 「はい、」 「大好き!」 あぁ、 「…わたくしも」 笑ってしまいそう。 『amor fati』 皆さんメリークリスマス! 何て言ってる間に正月ですよヒィおそろしい! ノボリさんが変な人に… 意味もなくフリーですのでご自由におもちかえりください! 題名『空想アリア』様より |