■ わがまま主に振り回される長谷部
燭台切「長谷部君、どうしたの?随分暗い顔をしているね」
長谷部「そんなことは……あるか?」
燭台切「なかったら聞かないさ。僕でよかったら、話くらいなら聞けるよ」
長谷部「……そうだな、お前なら適任だろう。女性の扱いについて聞きたい」
燭台切「ごほっ」
長谷部「どうした?」
燭台切「君がそんなことを……驚いてむせちゃったよ。格好悪いなぁ」
長谷部「バカにしているのか?」
燭台切「そんなことはないよ。ただ、意外だっただけさ。で、それで?」
長谷部「……まあいい。女と言うものは、どうしてああもすぐに気が変わるのだ?」
燭台切「あぁ、審神者のことか」
長谷部「なぜわかっ……俺が主の愚痴を言うわけがないだろう!」
燭台切「はいはい、そうだね。女の子って気まぐれでわがままで大変だよねえ。女心と秋の空っていうくらいだしね」
長谷部「まったくだ……将棋をさしていて『接待するな!本気でやれ!』と言いつつ『何故勝つ!勝たせろ!』と……一体どっちなんだ!」
燭台切「ははは。ま、そこを『可愛い』と言ってこその男だよ」
長谷部「……わからん」
燭台切「長谷部君はまだまだ結婚は無理そうだね。変なのつかまされないように気をつけなよ」
長谷部「そもそも俺たちは刀だろう」
燭台切「そうなんだけどさ。人間生活に夢を見たっていいじゃないか」
長谷部「…………わからん」
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