俺は黒神さんに宛てて、一通の投書をした。
あまりにもバカバカしい投書……。イタズラだと思われて、捻じって捨てられてもおかしくない投書。ラブレターと言うには、あまりにも猥雑。
しかし、黒神さんは俺の前に現れたのだ。
「投書、しかと受け取ったぞ。悪いが私と――の二人だけにしてくれないか?」
黒神さんは生徒会のメンバーを締め出し、俺と向き合った。
「――同級生。貴様の投書は少しばかり返事に戸惑ったぞ」
『黒神めだかさんに童貞を捧げたい』
見覚えのある俺の汚い字を目の前にかざされたとき、消えてなくなってしまいたい衝動にかられた。
「ごめんなさい……こんなイタズラ紛いの内容を……でも、俺の本心なんです」
「ああ、知っている。投書をする者はいつだって真剣に私へ救いを求めている。だから私は会長として、全力で応えよう!」
黒神さんは『凛っ!』と微笑み、俺に詰め寄った。眼力に圧迫されてしまいそうだった。しかし、すぐに体にかかる乳圧に意識は向けられてしまった。黒神さんの真っ白な胸の谷間が、すぐ前に。
「始めては痛いものだと聞いていてな……だが、貴様とならばそれもいいかもしれん」
目を閉じる黒神さん。近付く顔、桃のような甘い匂い……。柔らかく唇が俺の唇に
………
……
…
『うーん。やっぱり主人公チェンジ! 僕とめだかちゃんのエロ小説にしてよ』
「手前で書きやがれ下さい、球磨川先輩」
『小説なんか書けないってば』
「なに言ってんすか! いけるいける! やれるやれる! 気合いの問題だ! エロにかける情熱さえあらばこれくらい――」
頭を掴まれた。アイアンクローならぬヘッドクローだ。
「てめえは学校のパソコンで何を書いているんだ」
「ややややめてよ善吉! 文化的な小説だい!」
『そうだよ! これは紳士的で文化的な小説だ。なんせエロは文化だって偉い人も言っていたぜ。善吉ちゃんに止める権利はないっ!』
「いや、存分にあるね!」
ギリギリギリギリ。善吉の指が私の脳を直接刺激する。恐ろしい技だぜ……のーみそこーげきで人格は改善されるかわからんけどな……。
ていうか見てないで助けろ、球磨川先輩。
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