▼ 間章/外野が彼女達について語る
「なあ岳人」
「なんだよ侑士」
「雀ちゃんと乃子ちゃんと琴梨ちゃんなら誰がええ?」
「あの三人か〜。むづかしいところだな」
「お? 悩むんか?」
「だってさ、みんなどっか暗いじゃん
。俺は明るい子の方がいい」
「まだまだ子供やな、岳人。それがええんやないか」
「侑士は何でも食うからな」
「そんな風に言わんといてや。可愛い子にしか興味ないわ」
「ゲテまで食ってたらある意味尊敬できるぜ」
「何でそんなに毒舌なん? 俺らダブルスやんかぁ、傷ついてまうわぁ」
「俺はお前のことをテニスプレイヤーとしては尊敬してるよ、友達としても面白いやつだと思うよ。だけどお前の女関係については若干軽蔑してる」
「マジか」
「と思うだろ? うっそぴょーん?」
「岳人〜! あんまりにも迫真に迫った顔をするから、一瞬本気で騙されてもうたわ。油断ならん相方やで。怖いわぁ」
「怖いと言えば、俺、雀苦手なんだよな」
「そうなんか? 意外やわ。さっぱりした子やないか」
「あいつ怒るとすげー怖いの! 前に怒られたんだけどマジでビビったぜ。だからちょっとな」
「ほぉん。跡部も宍戸もそこが好きらしいけどな」
「侑士はどうなんだよ?」
「怒られたことないからわからんわ。まぁ、クールにさばかれたことはあるかな。Mっ気があったらちょっとヤバかったかもしれへん」
「そうか、よかった。いよいよ本気でコンビ解消考えるところだったぜ」
「え? いやいや、それは言い過ぎやんかぁ」
「うっそぴょん!」
「ほんまに嘘なんか……? いや、やっぱ聞きたくないわ。言わんといて」
「氷帝の天才が耳を閉ざした。侑士の心閉ざすのってさ、ダブルスやるときは結構困るんだよな。相方が何考えてるかわからないとやり辛いっていうか」
「いややー! 捨てられてまう! 相方に捨てられてまう! そんないけずなこと言わんといてやー!!」
「それよっか、お前はあの三人の中だと誰が一番好みなんだよ?」
「今その話!? 今その話するん!?」
「じゃあ当ててやる! そうだな、糸川か? 色っぽいし」
「ちょっと待ってや! 俺ら話し合うことあるやろ! ちゃうやろ! 今それはちゃう!!」
「なんだよ、違うのか? 誰なんだよ」
「確かに乃子ちゃんプッシュやけど、琴梨ちゃんも捨てがたいで。琴梨ちゃんはきゅっとしまった足首がええ。あ、雀ちゃんのほっそりした感じもええな。でも、乃子ちゃんの太ももがたまらんなぁ。たまにニーソはくやん? ニーソから盛り上がる太ももがほんまそそるわ。挟まれたいわぁ……」
「きめぇ」
「え? いや、そこはわかっとこう? 男の子なら同感しとこう?」
「同感できるけど今のお前の顔見たら同類にはなりたくねーと思った」
「酷い! なんでそんなに俺を虐めるん!?」
「別に……あ、日吉じゃん」
「お二人とも……人の彼女をそういう話の肴にしないでください。腹が立ちます」
「俺は悪くないぜ。全部侑士が悪い」
「ええっ!? ちょ、岳人?」
「ところで日吉、俺とダブルス組まねぇ?」
「はぁ……忍足さんは?」
「もうこいつとはつきあってられまへんわー、てなところだ」
「が、岳人ー? 捨てんといてやー!!」
「キモ……」
「きめぇ」
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