■ *火神君にチャイナドレスを着せてみました
「オレ、なまおのことわからなくなってきた」
そんなぼやきをこぼす大我。仁王立ちしながらもどこか諦めきって疲れた表情を浮かべている。いそいそと制服を畳んでいた俺はきょとんと顔を上げた。
「なんで?よく似合うよチャイナドレス」
「ウソつけ!!こんなの似合っても嬉しくねーよ!!」
そういって自分の太股をバシッと叩いて勝手に一人で痛がる。バカだ。
ちなみにいま大我が着ているのはこれまた見事な虎の刺繍が入った真っ赤なチャイナドレスである。ぶらぶらしていたところで発見し、一目で気に入って購入した。そして予想通り、赤髪の大我にはそれがとても栄える。大きめのサイズを選んだけれど、どこもかしこもビックサイズの大我には小さすぎるせいでどこもかしこもきつきつである。本来なら足首の長さまであるドレスも大我が着れば膝下ぐらいにまでしかない。だが、股近くまで入ったスリットから覗く逞しい太股がなんとも艶めかしかった。それだけでも十分着せた価値がある。
「ガーター網タイツもよかったけど、こういう生足晒すのもいいなぁ」
「なにしみじみといってんだよ!どうしてなまおはこういう変なのばっか着せたがるんだ!」
「似合うと思って」
難いのいい男が着ても笑い草だけれど、いや実際笑えるけど。ただ、大我が着るとなんともアブノーマルな雰囲気を醸し出す。そしてそれを恥じらう姿がまたいじらしくてたまらない。
じっと見つめただけでもすぐに顔を真っ赤にさせて「そんな見るんじゃねえっ」なんてぷいっと顔を逸らす。これで可愛くないと思わないやつのほうがおかしい。
「もういい飽きたけど、イヤだイヤだっていって着ちゃう大我も十分そういう素質あると思うんだけど」
「はぁっ!?素質ってなっ……ひっ!」
するっとスリットに手を忍び込ませて太股を撫でると大我の口から悲鳴が上がる。相変わらず敏感な体だなとほくそ笑みながらゆっくりとなぞりながら上へと登っていく。
「お、おいなまおっ」
「これ着てくれたってことは、こうなるの期待してたんじゃないの?」
「だ、誰がっ……っ」
晒された腿に顔を寄せて頬ずりした。男らしい体つきをしている割に肌はとてもきめ細やかな質感をしている。チャイナドレスのつるつるとした生地とはまた違った意味で肌触りがよくて気持ちいい。堪能するように舌で筋肉の窪みに這わせると大げさに体が跳ねた。やめろと震える声で睨んでくる大我の頬は熱が帯びてさらに血色がよくなっている。
その表情が誘っていると彼は気づいていない。いつもみたいに怒鳴って突き放せばいいだけの話だ。なのに、それをしない時点でどうされたいのか気づいていない本人以上に手に取るようにわかる。
「ねえ大我」
太股から顔を離し、膝立ちして大我を見上げる。
「ドレスの下、どうなってるか捲って見せてよ」
スリット部分の裾を摘んで大我の手に握らせる。大我はその返答を予想していたのか、驚いた様子は見せずとも気恥ずかしそうに視線を外した。
「ゼッテェいやだ」
「どうして?めくるだけなのに」
「っ……ウッセエ!しないっていったらしないんだよ!!」
早く離れろと抵抗しようとする大我を戒めるように後ろに回した手で尻を鷲掴んだ。んぎゃっ!なんてまったく色気のない声を上げる大我を無視して空いている手を今度は服の上からもう片方の尻を掴む。
「なまお離せっ」
「ねえ大我、なんかここ盛り上がってるんだけど」
「っ!!」
両手で尻を揉みしだいている間、ドレスに緩やかなテントを作り出していた。着ている相手が大我なので、生地が伸びてしまっているので色々と強調されてしまうのだ。もちろん、これがナニかはとっくに分かりきってる。ニヤリと意地悪く笑って指摘すると真っ赤な顔が一気に耳まで赤くなった。
「乳首も立ってるよ」
「なっ!」
「大我が着てるから全部バレバレだね」
生地によって遮断され、窮屈そうに盛り上がった胸筋の中央に二つの突起が主張していた。すぐにでも手を伸ばして抓ってあげたいけれど、ぐっと堪えてお尻を揉むのに専念する。固く引き締まってはいるがいい具合に弾力も残る尻は太股の次にお気に入りだ。最初はやめろ離れろ変態なんていっていたけれど、時間と共に口数も減っていき、いまは息を詰めて耐え忍んでいる。こんな姿、黒子君が見たらどうなるんだろう。なんて意地悪いことを考えながら大我に話しかける。
「ねえ大我、いい加減認めようよ」
「な、っ……にっ、をっ」
「こんな格好させられて興奮してるってこと」
「誰がっ!くっ、んっ……」
服の上から舌先でテントを押しつけると苦しそうな声が漏れた。相変わらず声を出すのが恥ずかしいようで手の甲を噛みしめて声が出ないように我慢している。
もうとっくに見事なテントを作っているというのに、頑なに認めようとしないのは男のプライドってやつだろう。
(まあいいさ、時間なんていっぱいある)
少しずつ、そして確実に大我を追い込んでいけばいいだけの話だ。散々教え込んで快楽に弱い体に仕立て上げたのだから堕ちるのに時間はそうかからないだろう。
このあと、理性が崩壊して真っ赤なチャイナドレスを身に纏ったまま乱れる大我を想像するだけで口角がどんどん上がった。ついでにズボンの中に収まっていた息子もどんどん上がっていく。
「この時間に大我が変態だっていうの、いっぱい教えてあげるからね」
覚悟してて、とにんまりと笑って見せれば涙目で耐えていた大我がバカヤロウといつになく弱々しい声で吐き捨てた。
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