日常編 | ナノ



新たなチームが出てきたことにより雪合戦のルールが変わってしまった。

レオンを捕まえた時点で勝ち、というルールなのだがレオンは変形して車のようになり今度のレオンは逃げる。

リボーンの説明を聞いてさっきより簡単かなぁと思ったらとんでもない。

みんな、さっきよりやる気を出してかなり激しい雪合戦になっていた。




「あ、レオン発見!」



リタイア者が続出している中、私はレオンを見つけた。

今残っているのはツナ、お兄ちゃん、私だ。

ハチャメチャになったこの雪合戦のリタイア者は気絶や行方不明や身動きがとれなくなったりしたのが原因だ。

…例えばダイナマイトが原因だとか大きい雪玉と一体化したからとかエンツィオが原因だからとか。




「おい、杏!俺がレオンを捕まえるからな!」

「そんな!私が先に見つけたんだよ、お兄ちゃん!」



レオンを見つけ、追いかけているとお兄ちゃんが横から走って現れた。

そしてお兄ちゃんもレオンを追いかけている。



「よーし、んじゃあ勝負だ、杏!」

「負けないよ、お兄ちゃん!」

「ちょっと杏!流さん!
レオンはもう曲がったからそっちじゃないよー!」

「「え」」



お兄ちゃんと共に走っていた足がピタリと止まる。

私はお兄ちゃんに負けないように走ったのだが、走ることに夢中になりすぎてレオンが反対方向に走っていたとツナに言われ知ったのだ。

何だか馬鹿らしく思えてきてお兄ちゃんと目を合わせて笑った。





「ツナ、今のうちにレオンを捕まえろ」

「え…でも杏と流さんが…」

「あいつらは戦力喪失して笑い合ってるぞ」

「え〜!?俺なんか最初からやる気なかったのに…」



ツナはリボーンに言われ、杏と流を見てみるとリボーンの言うとおり二人は笑っていた。

自分達の行動が馬鹿らしく感じたのだろう。


と、その時




「何これ?あとそのデカいカメ」

「雲雀さん!」

「雲雀さん!?」



走っていたレオンを捕まえたのは突然現れた雲雀だった。
デカいカメはエンツィオのことだろう。

そしてツナの声に杏は大きく反応し、それに気付いた雲雀は杏に話しかけた。




「やあ、杏じゃないか。それに君…杏の兄の流だっけ?」

「覚えててくれたのか、雲雀恭弥」



雲雀と流は向かい合う。



「君こそ何で僕のこと知ってるの?」

「あー、杏が言ってたからなぁ」

「わーわー、お兄ちゃん言わなくていいよ!」

「杏が?ふーん…」



雲雀は一瞬不思議そうな表情をしたが、やがて楽しそうに杏を見た。



「ま、いいや。僕も入れてよ、雪合戦」

「えっ!もう俺と杏と流さんしか残ってませんよ」

「ふーん…じゃ、いいや。
そのかわり杏は僕についてきて。風紀の仕事がたまってるから」




雲雀はそう言って校舎に向かって行った。
残された三人のうち杏は迷っているようだ。




「私…行くべき?」

「…うん、行くべきだと思う」

「行かなきゃあいつキレそうだしな。行ってこいよ、杏!」



ツナと流に言われた杏は結局応接室に向かったのだ。




後日、この雪合戦の勝者を聞いてみると何故かリボーンだったらしい。

雲雀を見たイーピンが爆発したらしく、ツナも流も行方不明でリタイアだったとかーー…。


あの爆発音はイーピンだったのか、と苦笑しながらも納得した杏だった。

一方杏は、仕事がたまっていたのだから仕事ざんまいだったのは言うまでもない。





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