日常編 | ナノ



そしてその後ポツポツと雨が降り始める中、
間もないうちにいろんな人が家にやってきた。


ハルちゃんや隼人に武が偶然にも家を訪ねてきたのだ。

最も隼人はフゥ太くんの情報を聞いて駆けつけたらしいけど。




「俺が聞きたいことはただ一つ…10代目の右腕にふさわしいランキングで俺は何位なのか!」



そして隼人はそれをフゥ太くんに聞き出すと衝撃な結果。




「圏外」

「なっ!」

「ぷっ!」



なんと隼人は右腕にふさわしいランキングで圏外らしい。

私は思わず吹き出し笑ってしまったが、隼人はショックで固まってしまった。
な、なんだか笑っちゃって悪かったかな。
でも…なんか…ね、うん。

更に保父さんランキング1位だと言うのでみんなかなり驚いていた。


そんな時。




「じゃあ次は杏姉の愛してる人ランキングやろっか。」

「え!?」

「「「!」」」



フゥ太の一言で一気にこの場が静まり返った。
何故だかみんな興味津々だ。




「えっ、何で私!?」

「だって気になるんだもん。
ねっ、良いでしょ?杏姉!」

「う…」



私は反論したけど、子犬のようなフゥ太くんのお願いに言い返すことが出来なかった。




「(てか私特に好きな人とかいないのに…フゥ太くんのランキング、出るの!?)」



私はそう思ったが、やがてフゥ太くんはランキング星との交信をし始めた。

そしてみんな聞き耳を立てている。



「じゃあいくよ。杏姉が愛してる人ランキング第3位は…




風紀副委員長の草壁」




「「「「…………は?」」」」

「?」




なんと予想外な結果が出た。

ハルちゃんは中学が違うため誰のことかは分かっていないけどツナ、隼人、武は唖然としているようだ。

いや、それ以上に私がびっくりだ。




「杏…草壁さんが好きなの…?」

「え、いや…そんなはずは…」



ツナの質問に戸惑ってしまう。
自分でも信じられないからだ。

そして更にフゥ太くんが続けた。




「続いて第2位……



Dr.シャマル」



「「「「「んなー!!」」」」」




これにはこの場にいる全員が驚いた。

有り得ないよ、そんなの。



「有り得ない、有り得ない…」

「オイ、杏!ほんとにあの女たらしが好きなのかよ!」

「え、絶対違…」

「はひ!杏ちゃん…あの人はやめた方がいいです…」

「だから違うはず…なのに!」



隼人とハルちゃんの質問にも否定したかった。が、フゥ太くんのランキングは百発百中だ。

私は頭がこんがらがっている。




「そして第1位……」




全員に緊張感が走るのがわかる。

そして……





「流兄」



「「「「「………………」」」」」






もう唖然として何も言えない私達。

皆ショックで青ざめていたみたいだけどそれ以上に私はやばいと思う。




「杏ってブラコンだったのか?」

「ははは…武…私、草壁さんとシャマル先生とお兄ちゃんが好きなんだね。

確かにお兄ちゃんは好きだけど…てかみんな好きだけどそれが恋愛として愛してたなんて…あははは…」

「ちょ、杏しっかりして!この雨と同じようにテンション低いよ!」

「雨?」





私の有り得ないほど下がったテンションに突っ込むツナ。

そしてツナの言葉、"雨"に反応したのはフゥ太くんだった。


するとフゥ太くんはいきなり具合悪そうにその場に寝転ぶ。



「どーしたんだ、フゥ太?」

「だるい。僕雨に弱いんだ…。
ランキングの能力デタラメになっちゃうし…」

「!そうなの!?」




え、まじで!?
私はそれに欠かさず反応した。

どうやらフゥ太くんのランキングは雨が降っているときにやると全て誤情報になってしまうらしい。


よ、よ、よかったぁ…。
すごく安心したよ、私。

ツナの右腕圏外と言われた隼人も安心したようだ。




「よ…良かった…!」



思わず言ってしまった嬉しい気持ちにフゥ太くんは不機嫌そうに言う。




「良くないよ…結局杏姉の好きな人分からなかったんだから…。

だから今度晴れてる日に占おうね、杏姉!」

「えっ!また!?」

「ダメ?」

「う……」



再び子犬のような表情をするフゥ太くんに断れない私だった。



…本当のランキング結果はどうなんだろうね。




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