今日こそ穏やかな日であってほしい。
昨日はディーノとお兄ちゃん達とピクニックに行ったんだけど… それはトレーニングと言う名に変わり、平和には終わらなかった。
なぜなら…
「こんにちは。あの…沢田綱吉さんの病室って何号室か教えてくれますか?」
今私がいるのは病院。 なんと昨日のピクニックでツナが大怪我をしてしまい今入院しているのだ。
だからお見舞いに来たのだけど、受け付けの看護士さんにツナの病室を聞くとその看護士さんは一気に青ざめた。
「あの……?」
「い、いえっ!その方の病室でしたら…」
看護士さんは病室の番号だけ言ってそそくさと次の人の対応をしていた。
………何で?
まぁいっか、とりあえずツナのところへ行こう。
そう決めて、私は教えてもらった病室へ向かい出した。 そんなに遠くなかったため数分で着いたのだ。
「ツナー、入るよー!」
一度ノックをして病室に入った、が…
そこにはいるはずの無い人がいたのだ。
「し、しし失礼しました!」
私は即座に病室から出た。
見間違いだろうか…いや、そんなはずはない。
な、なんであの人が…!
そう思ってもう一度だけチラッと病室を覗くとそこには…
「やぁ、杏。何で逃げるんだい?」
「うわあっ!びっくりさせないで下さい! てか今眠ってたじゃないですか!
なんで雲雀さんがここにいるんですか…?」
そう、教えてもらったツナがいるはずの病室になんと何故か雲雀さんがいたのだ。(しかも眠っていた)
なぜいるのかと聞けば予想外な答えが返ってきた。
「風邪をこじらせてね」
「風邪で入院!?」
確かに雲雀さんはそう言った。
…この世で風邪で入院なんてする人いたんだ…。 そう思ったのは秘密にしておこう。
そんなことを思っていると雲雀さんはとんでもないことを言ってきた。
「じゃあ杏は僕の看病よろしく。 沢田綱吉には別の病室に移すから」
「……はい?」
…今聞こえた言葉は聞き間違えだろうか。 いや、そうであってほしい、絶対に。
だが決して聞き間違えたわけじゃなくて。
「聞こえなかった?僕の看病してよ、杏。 てことで沢田綱吉、早く出てかないと咬み殺すよ」
現実だった。 ツナは雲雀さんにトンファーを向けられて徐々に出口へと迫られている。
だがツナは恐れながらも病室を出ようとしない。 チラチラと私の方を見て何か迷っているようだった。
…あ、そっか。
「…ツナ、私は大丈夫だから病室移動しなよ。(ていうかしないとやばいよ!) あとでまたお見舞いに行くから!」
「う、うん…。分かった、ありがとう…!」
ツナは心配してくれてたんだよね。
そうして私の心の声は聞こえたのか分からないけどツナは少しの不安と安心した表情をしながら無事咬み殺されることなく病室を移動した。
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