日常編 | ナノ




「、っわああああっ!」



いつもの登校時間。

さて私はツナ達と一緒にいつものように過ごしてた、そういつものように!

なのにどうして…




「柚木杏!早くボクシング部のマネージャーにならんか!」

「杏ちゅあ〜ん」




どうして追いかけられているの!?


私を追いかけているのは京子のお兄さんでボクシング部主将の笹川了平さんと
医者でありマフィア界で「トライデント・シャマル」と言われる殺し屋のDr.シャマル先生。

二人とも先日知り合ったばかりの人達だ。


そういえば最近いろんな人と知り合う気がする。

この間、入江正一くんって人とも知り合ったんだよね。
良い人だったなぁ…うん。

って考えてる暇はないっ!
とにかく追いかけてくるなら私は逃げる!それまでだ。




「何故逃げる、柚木杏!」

「追いかけられてるからです!」

「あ、そうか」



どうやら京子のお兄さんは納得してピタッとその場に止まってくれたのだが、シャマル先生には追いかけられているまま。

私は必死に逃げて、視界に入った教室の中に逃げ込んだ。




「はぁ、はぁ…」



どうやら逃げ切れたみたいだ。

だいたいシャマル先生は追いかけるほどの暇があるのだろうか、最近保健室の先生になったばっかりなのに。


…それにしてもこの教室、なんだかいい部屋だなぁ。

クーラーもついてて豪華にソファまであって。
こんな教室が学校にあったんだ。


いいところだしもう少しここにいようかな。
なんて呑気に思っていた時、窓の方を向いていた椅子がクルリと回転して私の方を向いた。

そしてそこに座っているのは…




「やぁ、杏じゃないか」



いつも私を見てトンファーで攻撃を仕掛けてくるあの人だった。


その人だと分かった時、背筋がサーっとひくのが分かる。



「どうしたんだい、勢いよく入ってきて」

「あ、いえ…その…貴方こそ何故ここに…」

「何故って…ここは応接室だよ。
風紀委員長の僕がここにいたって何の問題もない」



風紀委員は応接室を使うってのは知っていた。
ってことはこの人風紀委員長なのだろうか。

いや、絶対嘘だ。
トンファーで攻撃する人が風紀委員なはずがない。

そう思っていると…



「僕が風紀委員なはずがないだって?喧嘩売ってるの?

そんなに僕に咬み殺されたいのか、それじゃお望みどおりに」



思ってることがバレてしまったようだ。

え、なんで分かったの。
…いや、そんなこと思ってる暇はない。



「え…嘘ですよねっ!?」



だんだんと近づいてくる風紀委員長さん。
それに比例して扉へと一歩一歩後ろずさむ私。

しかし既に距離は近く、腕を掴まれ今度こそ逃げ場はない。


この人、本気だ…!


トンファーを振りかざされ、諦め目を閉じたその時



ガチャ



「へ〜、こんないい部屋があるとはねー」



武が扉を開けて隼人と一緒に応接室に入ってきたのだ。



「武、隼人!」

「杏!?」

「お前何でこんなとこに…。つかてめぇコイツに何してんだよ!」



あぁ、命の恩人様方だ…!

私をトンファーから助けてくれてありがとう。



「君達、誰?」



…だけどそう思えば思うほど背後からどんどん不機嫌オーラを感じる。

恐ろしいオーラが背中越しに感じるに増して、掴まれてる手がだんだん痛くなっている。



「(こいつは…風紀委員長でありながら不良の頂点に君臨するヒバリこと雲雀恭弥…!)」


「へー初めて入るよ、応接室なんて」

「待てツナ!」



そんな険悪な空気の中、何も知らずに入ってきたのはツナにそれを止める武。
止めると言うことはこの状況からの恐怖、もしくはこの人が何者なのか分かったのだろうか。


その時、掴まれてた手が離されたと思ったら瞬時に…



「1匹」



ツナがトンファーで殴られた。



「!ツナ!何でこんなことするんですか!?」

「のやろぉ!ぶっ殺す!!」



私の質問には答えず、怒り立ち向かってきた隼人も「2匹」、と冷淡な言葉と共にやられてしまうのみ。


、何で…!




「何でこんなことするんですか!貴方の狙いは私だったじゃないですか!
だったら私を攻撃すれば良いでしょ!?ツナ達は関係ありません!」



それを言うのは怖くて、手が震えてるのが分かった。

だけどその反面怒りがあるのだって事実だ。



一瞬風紀委員長さんの動きが止まったように感じたけれど、再びまた動き出してしまった。



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