「あの…良かったら君の名前教えてくれない?」
話していくうちに、ボスは私にそう聞いてきた。
「あっ、ごめんなさい!申し遅れました。 私の名前は柚木杏です。よろしくお願いします、ボス」
そうだ、まだ自己紹介してなかったんだ。 私は焦りながら自己紹介すると、ボスはなんだか戸惑ったような表情をした。
「あ、あのさ…俺の事ボスなんて呼ばないでよ。 俺ボスになる気とかないし…だから敬語もやめて!ねっ?」
「え、でも…」
「でもじゃなくて、俺がそうしてほしいんだからさ!」
うーん、いいのかな。
でもボスが言うなら…と思って私は敬語をやめることにした。
「分かった!じゃあ何て呼べばいい?」
「ツナって呼んで!俺は何て呼べばいい?」
「えっとツナさん?ツナくん? 私の事はそのまま杏でいいよ!」
「いや呼び捨てでいいから。 分かった、よろしくね杏」
「お前らいつまで仲良さげに話してるんだよ」
「いてっ!何すんだよ!」
私がツナく…ツナと話しているとリボーンがツナを叩いた。
しかしリボーンはツナを殴って満足したのかお腹がすいたようでリボーンは1階に行ってしまった。
ツナは呆れているけれど、とりあえず私達も1階に行くことにした。
1階に行くとそこにはツナのお母さんとリボーンがいた。
「母さん、俺外行ってくる。杏も来る?」
「私は大丈夫だ「杏の代わりに俺が行くぞ」
私が答えようとするとリボーンに遮られてしまった。
なんだかリボーンに話してること遮られてばっかな気がする。
そんな事を思っていたらいつの間にかリボーンとツナはいなくなっていた。 きっともう行ってしまったのだろう。
今家にいるのはツナのお母さんと私だけだ。
何か話した方がいいよね、なんて思っていたらツナのお母さんが話しかけてくれた。
「杏ちゃんよね?私はツナの母の沢田奈々よ!」
「あ、よろしくお願いします!えっと…」
「奈々って呼んでちょうだい!杏ちゃんみたいな娘欲しかったのよー」
奈々さんは笑顔でそう言ってくれ、すごく優しかった。 その後も他愛のない話をしていたが、奈々さんが突然驚きくべきことを言ってきた。
「あ、そうそう。杏ちゃんはこれから一緒の家に住むのよね」
「…え?」
え、何て言った、奈々さん。 私がここに住む…?
「えええええっ!?」
「あら?リボーンくんが言ってたけど違うの?」
そんなの聞いてないよ、リボーン。 まさか奈々さんに嘘…
「本当だぞ」
そう思っていたらどこからか…いや、間違いなく背後からリボーンの声がした。
「…あれ、リボーンってさっきツナと一緒に外行ったよね?」
「ツナがわがままだから戻ってきた」
「違うだろ!ほんとどうすんだよ…。もう街も歩けない…笹川京子に合わす顔もない…」
リボーンに続いてツナも家に戻ってくると、ツナは青ざめた顔で自分の部屋へよろよろとしながら行ってしまった。
「(またリボーンが何かしたの?)ツナどうしたの?」
「ふっ青春さ」
「………」
リボーン、一体何したの…
リボーンは平然としながら奈々さんの作ったご飯を食べている。
あとから聞くと、どうやらリボーンがボンゴレの秘弾でツナを撃ち、その効果でツナはパンツ一丁になり笹川京子という人に告白したようだ。
そのせいでツナはあんな風になっていたようだ。
…ツナ、大丈夫かな
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