_自室の前の縁側でお煎餅を食べていたしんべヱの背中に、不意に重みがかかる。何かと思ってしんべヱが振り向けば、そこには乱太郎がぺったりと引っ付いていた。
「どうしたの乱太郎」
「……んん、疲れた」
_動じることなくしんべヱが声をかけると、肉がついてふかふかのしんべヱの肩に顔を埋め乱太郎は息を吐いた。しんべヱは「そう」とにこやかに応じただけで乱太郎の好きなようにさせてやることにした。お煎餅をバリバリ、一枚二枚と消費していく。
_すると中庭を通って現れたきり丸が、二人の姿を見つけて「あっ!」と声を上げた。
「何だよ二人だけで! 俺もまぜろ!」
_駆け寄ってきて、慌ただしく履き物を脱いで縁側に上がると、きり丸は丸まっている乱太郎の背中に飛びついた。
「乱太郎、疲れちゃったんだって」
_しんべヱがそう言うと、きり丸は「ふうん」と相槌を打って、ぎゅっと乱太郎を抱きしめた。
_背中でその様子を感じながら、「こんないいお天気だもの、しばらく日向ぼっこしていればすぐ元気になれるよ」としんべヱは笑う。

_しばらくするとそこにはうたた寝する三人組がいて、通りがかったは組の面々は「あいつらまたやってるよ」とそれを微笑ましく眺めた。


20120217

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