(きり丸と乱太郎♀)


_以前、雑談の中できり丸が何気なく「俺、自分の子供欲しくない。多分結婚もしない」と発言したところ、それを聞いた乱太郎が大泣きに泣いてちょっとした騒ぎになったことがあった。
_早くに親兄弟を亡くしたきり丸であったから家族というものに不慣れで、大切な存在を作ってもう一度亡くしてしまうのが怖いという理由から「だって愛せる自信がない」と言ったのだが、どうやらそれがひどく乱太郎の気に触わったらしい。
_勿論きり丸にとって乱太郎は代わりのきかない大切な大切な相手だ。
_おそらく、自分の発言が乱太郎を蔑ろにするものと捉えられ、乱太郎を傷付けてしまったのだろうときり丸は思い、足りない頭から必死に語彙をひねり出し乱太郎に謝り、慰め、甘い言葉をかけ続けた。
_最終的に土井先生まで駆けつけは組総出で乱太郎を宥めすかし、何とかその場は収めた、のだが。
_それから半年と経たないうち、乱太郎に一枚の診断書を目の前に突きつけられてきり丸は冷や汗をかいていた。

――にんしん、いっかげつ。

_きり丸が呆然と呟くと、乱太郎は何故だか満面の笑みで「ざまあみろ!」と高らかに勝ち誇った。
_女って、怖い。


20120212

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