ガクリ、と崩れ落ちた身体を抱き止めるとなまえはへらりと笑った。

「……平気か?」
「へーき……ちょっと貧血なだけ。噛まれるの、嫌じゃないし」

そんなにたくさんの血を貪られたわけでもなく、それでも貧血なんてやっぱり自分は不健康なヤツなんだろう
噛まれるのが嫌でないのは本当だ。あれは、ピアスを開けるときの感覚に近い。

「……お前、Mだよな……」
「んなこと言って、零だって開けてんじゃん」

そうして零の耳の飾りを弄っていると、呆れたような溜め息が聞こえる、

「……お前ほどじゃねぇよ」

衣服の下に隠れている腕と臍のそれに手が触れる

「……手ぇ突っ込むなよ。」
「お前、好きだろ?これ弄られるの」
「ばっ……!バカじゃねぇの!?」

でも、自分に少なからずとも被虐嗜好があることは実は否定できなくて妙に切なく感じた。

「……つーか、お前髪色変えたのか?」
「んー、あぁちょっと痛んできたから銀メッシュ。似合う?」

内心、零とプチお揃いにしたかったとか思っていたけど、どこの乙女だ、と自分に寒気がしたので言わなかった。

「……いーんじゃねーか。」
「マジ?ありがと」
月明かりに浮かぶ顔が、先程よりも青白さを増しているのに気づいて、背を支えていた腕でなまえを抱き上げた。

「……っわ、何だよ」
「もう寝る」

これで明日の授業中に何かあれば、理事長に何か言われかねない。一人部屋がいいと言った俺を無理矢理こいつと同室にしたのは理事長だと言うのに。

「……零、おやすみ」
「……あぁ、」





あとがき
ピアス&吸血でM云々の話がどうにも書きたかった。
そうです、原作の零は一人部屋のはずじゃ?の真相。
なんでかってまぁ、きっと零にお友達ができますように☆な理事長の愛情です(笑)


おまけ
「……なぁ零。俺、舌ピも開けるかなー」
「好きにしろよ」
「舌ピってしてやるときいいらしいぜ」
「…………」


下ネタさーせん(^ρ^)


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