2011/06/28 06:20



悲鳴を飲み込んで、じっとその人を見つめた。
「……分かるか、これが俺の使命なんだ。」
「十分に、理解しました」

風に混じって、さらさらしてる綺麗なものが頬に当たる。さっきまで温度を持ち、血を通わせていたものだと思うとなんだか不思議な気分だった。

「ねぇ、錐生くん」
「……なんだよ」

多分、喉の奥に隠そうとなんてしなくてもあの銃声は私の短い悲鳴を掻き消してくれたのだろうけど、私は敢えてあの微かな小さな悲鳴を喉の奥に飲み込むことをしたのだ。

「私、それでも錐生くんが好きだよ」





銃口から漏れた叫び声



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