リジェネ
2011/06/28 06:18

「誰も、見てなんていないのに。君は体裁ってものを気にしすぎなんじゃあないのかな。今更なのに」
「別にそういうことじゃないんだけどね。私はそういうのが好きなことくらい当の昔に気づいてたと思ってたわ」

多分、私たちは互いに無駄に長く出来るだけ多くの単語を吐き出すのが好きなんだろう。無意味な会話にすら言葉の数をかけるから、必然的に会話している時間は長くなる。

「でも、空の上から月だとか星が見ているって言わない?」
「へぇ、君がそんなロマンチスト染みたことを言うとは思ってなかったな」
「私も幼稚なことを言ったと少し後悔しているけれど。多少のロマンは必要だと思っているわ」
「あぁ、じゃあ僕らの関係も君にとってはロマンチックなのかな」
「そうね、否定はしないわ」

人目を忍んで会うのは十分背徳を感じるものだし、裏切り者同士の密会は頭上の輝きに見られていると思うと、なかなか面白いから




目撃者は月と星たち



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