「おかえり〜。デート楽しかったぁ?」


帰って来るなり真っ直ぐに自分の部屋に入ってきた兄のタケルを見上げてユタカは意地悪く微笑む。


「くっ…、さっさと、外せ…っ」


ドアを閉めると同時にタケルはその場に力尽きたようにしゃがみこんだ。

うっすらと汗ばんた顔は赤く、苦しそうに浅い呼吸を繰り返す。


「あははっ、大丈夫? うわ、体あっつ」


歩くこともままならない兄を引きずってベッドに寝かせると、ユタカは慣れた手つきでタケルのズボンと下着を脱がしていく。


「んんっ、うあ…っ!」

「わー、やば。鬱血してるじゃん」


さらけ出されたソレは、金属のフレームに覆われていた。

平常時よりも二周りほど余裕のある大きさで形作られているフレームに阻まれて勃起しきれない肉竿が、中途半端な硬度で痛々しそうにヒクついている。


「こっちもちゃんと入ったままだね」

「ひうぅっ!」


貞操帯に連結しているエネマグラをいたずらに押してみるユタカ。

中の弱い所がピンポイントにえぐられて快感が跳ねる。

しかしそれと同時に勃起しようとした竿に痛みが走って、タケルは情けない泣き声を漏らした。


「あはっ、こんな状態でよくデートできたね。タケルは変態だなぁ」

「っ、お前が…っ無理やり…!んあぁっ!」

「だって付いてっちゃダメって言うからさー、デート中にイタズラできないならこうするしかないじゃん?」

「あっ、ぅああ! うごかすなっ…!ああぁ!」

「ねー、今日はどこに行って何したの?」


「…えっ、映画っ、行って…!」

「映画ねー、あの今流行ってるやつでしょ? いいなー、俺も見たかったのに。その後は?」

「うあッ…!ご飯たべて…っ、適当にゲーセン行ったり買い物しただけだよ…!」

「ふーん、買い物ね。なんか買ってあげたの?」

「っ、いいだろ、そんなことっ…ひああっ!?」


急に強くエネマグラを押し込まれてタケルは悲鳴を上げた。

そのままぐりぐりと動かされると前立腺を直接刺激されて膝ががくがく震え出す。


「どうせ買ってあげたんだろうなー。いいなー、彼女は愛されてて」

「いっ、痛い!ユタカッ…やめっ…、もう、外してくれ…!」


中を刺激されるほど、貞操帯で圧迫されている自身に激痛が走ってタケルは必死にユタカを見上げて訴える。

その表情を満足げに眺めながらユタカは自分の唇をぺろりと舐めた。


「外してくれ、じゃなくてさぁ、もっと可愛くおねだりしてよ」

「へ……っ?」

「もう我慢できないからユタカのおちんぽ入れてください、ってさ」

「は…!? そんなっ」

「おねだりできないならこのままね」

「うぐ……っ」


タケルは悔しさに歯噛みしながらも羞恥に耐えて口を開く。


「……ゆ、ユタカの……ち、ちんぽ、いれて…っ」

「聞こえない」

「うぅ……っ! …が、我慢できないからっユタカのちんぽ入れてくれぇ!!」

「あはっ、…はい、よくできました」


ユタカはにんまり笑うとポケットから鍵を取り出して貞操帯の鍵穴に差し込んだ。


──ズルッ


「ふあぁあっ!」


やっと下半身が解放されて、竿に一気に血が巡る。

エネマグラを抜かれた内部が切なそうにヒクついて、同時に先走りが漏れ出した。


「もっと腰上げて。…あーあ、早く挿れて〜って口パクパクさせてんじゃん」

「あ……っ、あぁ……」

「彼女がいるのにこんな事されちゃって恥ずかしいねー、お兄ちゃん?」

「うぅ……っ」


真っ赤になった顔を背けるタケル。

その姿に嗜虐心をそそらされたのか、興奮気味にユタカは自身を取り出すと、すでに勃起しきったそれを兄の尻に押し当てる。


「玩具で解れてるだろーから、最初っからガンガンいっていいよね?」

「はっ!? まっ、待て……っ!」


制止の声も聞かずにユタカは自身を一気に挿入した。


「ひっ……ぐうぅぅっ!」


突き抜ける強烈な刺激に思わずタケルは濁った声を漏らす。


「はは、中ぐっちゃぐちゃ」

「ぐっ、あぁあっ!やめっ、そんな、激しく…っ」

「んー? やめてほしーの? でもタケルの中は俺のちんぽにめちゃくちゃ絡み付いてくるけど?」

「んんっ、あ!あぁ!いやだっ…ぁあ!や、だっ…ぁあぁ!」

「何が嫌なんだよ。こっちもこんなパンパンにさせちゃってさ」


くちゅっ、くちゅっ


「ひああぁっ!」

「はは、すごい反応。一瞬でイッちゃいそーだからちんぽしごくのはしばらくお預けね」

「ひっ…!? あっ、やあぁあっ」

「ほら、もっとよがれよ。弟にケツ穴掘られてさっ」

「ひあぁあっ、あっ!あぁ!あぅううっ!」


ぐぽっぐぽっぐぷっ


ぬかるんだ音を立てながらユタカが激しく抽送を繰り返す。

奥まで貫かれる度に身体の奥底が痺れるような快感に襲われて、タケルの口から甘い悲鳴が上がった。


「あは、彼女が今のタケルを見たらどう思うだろうね?」

「ひぅっ、あああっ、あっ、あう……っ!」

「あ、また締まった。想像して感じちゃったの?」

「ひぅうっ、ちがっ、違う……っ!」

「もしかしたら「可愛い」とか言って喜ぶかもよ? なんなら今電話してみよっか?」

「…っ!やだ…!やめろっ!やあぁあっ」


タケルは涙を滲ませながら必死で首を横に振る。


「あー、泣いてんの? …そんなに好きなんだぁ?彼女のこと」


さっきまで受かれていたユタカの声のトーンが急に冷たく変化する。

「じゃあもっとぶっ壊れるくらいめちゃくちゃにしちゃおっかな」

「えっ……!? あ、あぁっ!ま、待ってっ、ユタカッ」

「待たない」


ユタカはタケルの言葉を遮るように言うと、タケルの肩を強くベッドに押し付けた。


「あぐぅっ」

「お兄ちゃんが悪いんだよ」

「っ!?」

「…ずっと俺だけのものでいれば良かったのに」

「……っ、うぁっ、あああぁあッ!!」

ごりゅっと最奥を突き上げられて、タケルは大きく仰け反った。


「なんで彼女なんて作ったの? 俺から逃げたかったから?」

「あ……っ、うぁあっ、あ、あぁあっ!」

「答えてよ、ねぇ」

「ひっ!いやだッ、もう、許してくれ……ッ!」

「あは、なにそれ。もっといじめてほしいって事?」

「違っ、あぁ!あぐ……っ!あ、あぁあぁっ」

「ケツにちんぽぶち込まれてこここんなにするようなヤツが女なんて抱けんの?」


ユタカはそう言いながらタケルの陰茎に手を伸ばすと、亀頭を指先で強く擦った。


「ひっ!?」

「ほら、触ってほしいんでしょ?」

「あっ、やだっ!そこは、だめ…っ、ひああぁあっ!」

「くふふっ。なっさけない声。彼女にもしごかれたらそんな声出すのかよ」

「あっ、あぁっ!出るっ!出ちゃう……っ!」

「……だーめ」


ユタカは手を離すと再びタケルの尻を犯し始める。


「やっ、なんでぇっ……!?」

「先にケツ穴だけでイッてからね」

「は…!? そんな、のっ、むり…っ!」

「無理じゃないって。こっちだけでもイけるらしーよ? ほら、女みたいにちんぽで犯されながらイけよ」

「いやだっ!やめてくれっ、頼むからぁっ!」

「やめない。彼女のことなんて抱けない体にしてやるよ」

「ひぅうっ!あ、あぁっ、や、やだぁ……っ!」

「嫌っていうわりにはすげー締め付けてくるじゃん。もしかしてイきそう?」

「ちがっ、ちがぁああぁあっ!」

「ほらイケ。弟にケツ掘られてイッちまえよ!」

「あ、ああぁっ!や…っイクッ、いくぅうっ!!あぁあぁあぁ―――っ!!」


びくんっ!びくっ、びくっ

激しく痙攣しながらタケルは絶頂に達した。

後孔がぎゅうぅっと収縮して、頭の中が真っ白になるような快感が下半身から全身へと駆け抜ける。

「はは、あははっ。ホントにケツイキしたの? さすが変態だね」

「はぁっ、はあ……っ、あ……っ」

タケルはまだ余韻が残っているようで、時折ぴくりと小さく震えている。


「良かったね。タケルの体、女になっちゃったね」


ユタカはタケルの耳元で囁いた。


「……っ、う……っ」


その言葉を聞いた瞬間、タケルの目からぽろりと涙が零れた。


「あれ?泣いちゃったの? よく泣くなぁお兄ちゃんは」

「……っ、うるさいっ!お前なんか……っ」

「はは、まだ悪態つく気力はあるんだ?」


ユタカはタケルの顎を掴むと、無理やり自分の方へ向かせた。


「ていうか、まだ終わってないからね?」
「え……!?」

「俺がまだ満足してねーもん」

「あ……っ、やめろっ!やめて……っ!」


ユタカは再び抽送を始めた。


「やだっ、もう無理……っ!」


タケルは悲鳴のような声で叫んだ。
ユタカは楽しげに笑うと、タケルの腰を掴んで引き寄せた。


「ひぃいっ!」


ずぶぅっと肉棒が深く突き刺さる。


「あぁあっ、ああ……っ」

「これぐらいで俺の気が済むわけねーじゃん。タケルがデートに行ってる間、本当に気が狂うかと思ったよ」

「うあぁあっ、ごめ…っなさ…!あああ!」

「…っは、ごめんなさいって何? そんなこと言っても別れる気はないんでしょ?」

「〜〜っ、うぅ!うああぁッ」

「べつにいいよ、別れなくても。こうやって気が晴れるまで毎日犯しまくるから…っ」

「ああぁあ!やだぁあっ!」


暴れるタケルを力任せにねじ伏せて犯し続けるユタカ。

彼の耳にはもう、タケルの悲痛な叫びなど届かないのであった。


end

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