title | ナノ

ひとつの手があった
血に塗れながらも
何かを掴もうとしていた

伸びていく
白く赤い手
沢山の残骸の上で我を嘆く
きっとその手は
何も掴めやしないだろう
つられて笑う瞳もまた
折り重なる冷たい手の欠片

幾つもの鉄の十字の隙間
爪が剥がれても
遠くを求む
裏切り者の
虚しい手

そう簡単には
殺してあげないよ


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