お日さま園の水槽の中には金魚がいた。小さな小さな金魚。それは小さい頃お祭りの屋台で風介が捕った金魚だ。意外と風介はそういう類いのものが好きで、瞳子姉さんにねだってはお祭りの際必ず一回はやっていた。
鱗が水と光に反射してきらきら綺麗で、小さい頃は毎日眺めていた。
気が付いたら水槽にいた金魚も二匹になっていて、風介もお祭りに行っても金魚すくいをやらなくなった。

「何で小さい頃お祭りに行く度に金魚すくいやってたの?」
「昔答えたというのにまた答えろというのか」

正直色々ありすぎて忘れました。だなんて言えないよ。風介怒ると怖いし、拗ねると機嫌直るまで話してくれないし結構面倒くさいんだよね。適当に答えると呆れられるのが目につく。一体どうすればこの空気を回避出来るんだろう。

「…好きな人?」
「何だ、覚えているじゃないか。」


適当に答えただけなんだけどね。それにしても風介の好きな人ねえ…クララとか?ハードル高いなあ…

「私の好きな人を知らないのは、お日さま園の中で多分お前だけだろう」
「え!?みんな私に隠し事なんて酷いよ!ねえ風介教えて!」
「何で昔からそんなに鈍感な奴なんだお前は!」

パシャリと静かな空間に水の跳ねる音が聞こえる。え…?風介が私を好き?嘘だぁ…。

「じゃあ何で金魚すくいなんかやって遠回しにしたの?」
「そっそれは…」

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