「で?
 まずは何から説明してくれるのかな?」


仁王立ちの状態で渚ちゃんの前に立つ。

渚ちゃんはと言えば悪いことをした子供のように縮こまって下を向いている。
まぁ悪いことをしたんだけどね。


「で?
 何から説明してくれるのかな??」


念押しとして二回。
一応渚ちゃんに効果はバツグンだったらしく落ち込み具合がさっきの倍くらいになった。

一度射撃場の中を見回す。

床や壁には黒い煤がかなりこびり付いている。渚ちゃんにも同じく。

そしてショボクレた彼女の足元には、マシンガンが一丁。
なんというか…一応華奢な女の子の隣にガツい銃器があるのは少し、っていうかかなり違和感がある。

まぁそんなことより。


「で?
 いったい何があってどうやったらこんなひどい有様になるのかな?」

「ぇっとですね…」


やっと話す気になったらしい。もそもそと話す気があるのかないのかくらいの声で言う。
なんというか、小学生に対する先先生になった気分だ…。
いや事実講師と生徒っていう関係なんだけどさ。


「前に銃を新調したでしょ?どうもその勢いでこっちの方も整備してみようかなーとかなんとか思って見ちゃったりして。
それでゆっき…お先生がやったみたいなちょっとしたテクニシャンな技に挑戦してみたいなーなんて調子乗っちゃったのが関の山っていうかなんというか…。
そしたらなんかこう、景気よくやっちまいましたぜ兄貴!!ってことです。」

「うんどうやら反省が足りないようだね!」

「いや本当にすいませんでした。」


もそもそながら流暢に話してるくせに何を言うのかと。思う僕は短気なのか。
…まぁ流暢といってもかなりの誤字脱字でその上語弊があるんだけども。テクニシャンな技ってなんだ。


「悪気があった訳じゃないの…。まさか爆発するなんて思わないよ。こんな漫画的展開がリアルで行われるなんて…!!
じきに2コマ跨げば完全完治なんていうギャグ的異常回復能力が発揮されたりしちゃいだすんでしょそうなんでしょ?シャランラー♪」

「…ともかくわざとじゃなくて君がかなり動揺してるのはわかったからもう黙って良いよっていうか黙って。」


後半なんか何を言っているのか理解できなかったし。「第一君は自分の姿が見えてないからそういうことを言うんだよ。どれだけ顔が煤で黒くなっているか教えてあげようか?」

「えぇ!?そんなにひどいの!?」

「うん。真っ黒だ。っていうかこの部屋のあり様を見てどうして自分だけ無事だって思えるのか逆に不思議だよ…。」


僕が言ったのを気にしてか自分の服の袖で拭おうとしている。
が、もちろんのこと彼女の服も煤まみれなわけで。
拭けば拭くほど汚れは広がっていく。まさに悪循環。


「あぁもう余計汚れてるから!」

「えぇぇマジか!」

「だから汚れてくからやめろってば!!あーもうなんでまた拭くのさ!?!?」

「いや汚れてるって言われたら拭くでしょ反射だよ反射!」

「それ反射じゃないから。中学校で習わなかった?」

「ひぃぃ重箱の隅を突くな!」


一向にこちらの話を聞く気はないらしい。
…人の親切心をなんだと思っているのか。

しかたない。
ので
強行手段。

って言っても、ただ渚ちゃんの両腕をふさぐだけなんだけど。


「…おぉぉお…。えぇと、なんでしょうかゆっきー…この体制」

「いや君がこっちの話をなかなか聞かないから。」

「…。あ、そうですか。」


なんだか気まずそうに目を逸らす渚ちゃん。
…?なんだその反応。


「えーと、ゆっきー話聞くから放してもらえますか。」

「ん?駄目だよ」「なぜに!?」


予想外なくらいの驚き方だな…。


「だってどうせまた自分で拭くんでしょ?」

「ん?そりゃ。」

「そんな真っ黒い状態だったら同じこと繰り返すだけだよ。」

「…はぁ。そうですか。」


なんとも憮然としない態度の彼女。
まぁそんなことよりも


「じゃ、拭いてあげるから静かにしててね。」「はぃ!?」


なぜ声を裏返すのか。
「いやいやいやいやいやおかしいっておかしいっていや自分で拭くからやめとこう」

「大丈夫だよすぐ終わるし。」
「そういうことじゃない!!ってフブッ!」


とりあえず問答無用で無理やり顔にハンカチをこすりつけた。
渚ちゃんは勝手に手足をばたばたやっている。
が、まぁ僕には関係のないことである。


「ってに゙ゃぁああああああああ!!!!!!!!!!!!!!
お前絶対に、絶対に意図的っていうか確信犯っていうか愉快犯だろぉおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


…なにやら叫んでいるが。


「それが?」

「うわぁああああ!!いい笑顔でなんか言いしくさってるこの変態!!!!」

「変態じゃないから…」

「紳士とも言わせない!」


軽い涙眼で抗議しているけど、まぁ、そんな顔で何言われてもね。

そんなこんなで、渚ちゃんの文句が終わるより前に拭き終えた。

ので、解放。

渚ちゃんは自由になった腕を守るように叫ぶ。


「ほんっとむっつりだしょゆっきー!!おかしいって絶対ぃぃぃいい!」

「はい?僕ただ助けただけなんだけど。」

「ただ助けるのになんで私こんな恐怖を与えられてんのよー!」

「知らないよ…。」


呆れて言葉が出ないとはこのことだ。

そんなことを考えていると、「覚えてろよー」とかなんとか、捨て台詞をはいて逃げ出した渚ちゃん。
…えぇ。誰ェ…。


「…まぁ、可愛かったから、いいか。」



火気厳禁

(ベタ惚れ?)







170000様から強だ、頂いた雪男テライケメソon渚ちゃんカワユス素敵相互記念。

((((^ω^))))

好きー!!←

MAJIで惚れる3秒前。

170000様、相互ありがとうございました!







モドル








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