『あ、もしもしメフィストさんですかー?

え、何で番号知ってんのって?

誰かに教えてもらった。

てか、アマイモン知らない?

…知らないの?

兄上とか言わせてるくせに?

…うん、うん、わかった、じゃあまた』













「んちゃーっす!!」
「…ここの回りには結界が張ってあるんですけどねぇ、どうやって侵入したんです?」

 久しぶりの感動の再開。最初が肝心かと思って元気よく手まであげたのに何こいつ。こんにちはお嬢さん☆くらい言えねーのかよおい紳士。何て嫌そうな顔するんだ、ちょっと傷ついたぜ。

「遊びに来ちゃった☆」
「あなたがウインクしても気持ち悪いだけですよ、やるなら私のように容姿端れ「アマイモンは?」……さあ、私にはわかりかねます☆」

 …何こいつ、何なの?ふざけたこと言うからさえぎってやったけど、そしたらあからさまに不自然な顔しやがった。なに右斜め上に視線をやりながら口尖らせてんの?かわいいって言ってほしいの?わざとだろ?というかこの顔絶対知ってますよね。そのアンテナ引っ込抜いてやろうか。

「メフィストおにーいちゃん!」
「何ですか気持ち悪い」
「さっきから気持ち悪い言い過ぎじゃね?傷つくんですけど」
「それは失礼。あなたにも傷が出来るような心があるんですねぇ」

 メフィストお兄さんは馬鹿にしたような顔でこっちを見てくる。アンテナ引き抜くとか甘すぎたわ。バリカンで虎刈りだなこれ。

「うん、もう決壊寸前まで傷ついてるからいい加減教えてくれませんかお兄さまアマイモンに会って早急に癒して頂きたいんです」
「知らないといったでしょう、しつこいですね」

 嘘つけ。ため息つくんじゃねえ。こいつが知らないはず無いんだ。何たって携帯持ってるし。アマイモン直通一本の素敵アイテムその名もKEITAI。ああー、いいなぁアマイモンの番号私も知りたい!!たぶん連絡しないけど。使わないけど知りたい複雑な乙女心よ。

「とにかく、アマイモンに会うまで帰らないので何かオススメは?」
「はあ…まったくあなたって人は」
「だってもうしばらくアマイモン見てないし何より暇なの。とにかく暇なの。」

 そう強めに主張したらまたため息をついて(長めに)引き出しを探りはじめた。何かしてくれるのかと期待に胸が膨らむ。

「仕方ありません、あなたには特別にこれを差し上げましょう」
「おっ……何、」

 そうしてジャジャーン!と言わんばかりのドヤ顔で髭が取り出したのは、目ん玉くらいの球体に棒が突き刺さったカラフルな物体。

「フッ、これは正十字騎士団が莫大な研究費と時間を費やしたその名も“ほ「チョッパチャップスです」”です!」
「おいしいです」
「ア、アアアマーっっつ!」

 ふいに左隣に現れた天使もとい悪魔もといアマイモンもといイケメン。や、やばい久しぶり過ぎてなんか緊張してきた。相変わらずなんてかっこいいの…!!その素敵なとんがりも目の下の濃い隈もお茶目なたれ目もすべてがイケメン…!!あ、ダメだなんか感動しすぎて何か目の前が滲んできた。いけないいけない、久しぶり過ぎてテンションおかしい。平常心平常心。すってー…はいてー…うし。

「アマイモン久しぶりー」

 なるたけ普通に見えるように気を付けて声をかける。そんな私の心臓8ビート越しの16ビート。アマイモンは私の顔をじーっと見る。あれ?反応鈍い?も、しかして忘れ…

「何でロアがいるんですか?」

 てないよねー!良かったマジ良かった…!!しかし何て言おう。アママに会いたくて物質界来ちゃった☆とか?無理無理。

「お前に会いに来たんですよ」
「そうですか」
「そうそうアマ、日本ちょっと案内してよ」

 ホホホホワーーイ!!!?え、何々この悪魔何て言ったの?何 ば ら し て ん の ?!くっそ、ニヤニヤしてるし…!!普通に返事したけど出来てた?出来てたよね?アアアアマ、ああそんなにジッと見ないでくださいお願いします。その純真無垢な瞳に見つめられるとめちゃくちゃにしたくて(されたくて)たまらなくなるのです。

「いいですよ」
「、は?」
「僕もまだ回ってないところがあるので、一緒にいきましょう」
「ぁあ…、うん、ありがと」

 何だ、めちゃくちゃにしていいの肯定かと思った。衝撃強過ぎて逆に冷静になるってこういうことですね分かります。瞬間的にシナリオ考えた自分に敬礼。最大のポイントはあそこの意地の悪い髭をどうするかでしたよね。どっか行ってくんないかなぁ。

「今日は鎌倉です」
「ん?カマクラ?」
「二人とも、物を壊したり生き物を殺したり傷つけてはいけませんよ」
「はい」
「はーい?」
「ロア?いいですか?生き物、特に、人間を!殺しては、いけませんっっ!」
「はいはいわかりました。アマ行こー」
「では兄上、いってきます」
「ちょっとまっ…!




気を付けるんですよ!!





……っはあー……………、



大仏、壊さないと良いんですけどねぇ……」







オワリ







アマイモン大好き!髭(メフィスト)のことも嫌いなわけじゃない。むしろ好き。





モドル








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