いつものように薬を調合して、今日の予約のリストと照らし合わせる。

どうも今日は注文が多い。桃タローくんとなまえちゃんに仕事を振れば二人ともテキパキと仕事に取りかかってくれた。

なんでこんな膨大な量になってしまったのか。このときばかりは怠けに怠けきったかつての自分を恨んだ。







「二人ともお疲れ様。お茶淹れるよ、」

「あ、私が行きますよ」


今日の分の仕事はなんとか終わらせた。とりあえずなまえちゃんの好意に甘えてお茶を入れてきてもらうことにした。


それにしても今日は疲れたなー。あとで女の子にでも癒してもらいたいもんだ。なまえちゃんが癒してくれるならそれが一番なんだけど、なかなか厳しそうだ。

と、そこまで考えてふと疑問に思った。なまえちゃんが遅い。お茶をいれるだけなのにそんなに時間がかかるのか…?

少し嫌な予感がして調理場を覗きにいく。




嫌な予感は適中だ。

辺りには茶葉が散らばりなまえが横たわっていた。胸を上下に荒々しく動かして苦しそうに呼吸をしている。


「なまえちゃん…!!!」



「はく、た…くさま、」




顔色か悪く汗も酷い。

どうして、こんなになるまで放っておいたんだ。近くにこんなに名医がいるのに…、と思ったが瞬間、脳裏をある疑惑が掠める。



「僕のせい、だ…。」



顔色が青くなっていくのを感じた。

目の前でうなされている彼女を苦しめる元凶は紛れもないこの自分だ。急いでベッドに寝かせて調合した薬をなまえちゃんに飲ませる。

ごめんなさい、と何度もうわ言を言いながら熱にうなされる彼女の姿に胸を圧迫されたような苦しさが襲った。いつだって仕事を押し付けてしまって、それでも愛想をつかさず微笑んでくれる彼女。

今度こそ嫌いになられてしまったらどうしよう。そんなことしか考えられない自分に嫌気が指した。


「はやく、よくなって…ね、」



そっとなまえちゃんのおでこに手を当てる。神様お願いです、いや神は僕だけど。

また君の笑顔が見られますように。また何事もなかったかのように笑ってください、もうお酒も女遊びも止めますから。


ソレほどまでに、君が大切なんだ。






まさに神様失格



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