心で聞いて/甘/財前(拍手)
 
まだ朝の10時のこと、
学校の屋上に一つの影



『……財前くん、』

「……なんすか」

私に気付いてヘッドホンを
とって聞いてきた

『……さぼりだ』
「古典なんすよ」

そこまで意図がないことに気づき
またヘッドホンをかける

……ヘッドホンくらいとってよ

財前を見ると
目も耳も塞いで
私のことなんか頭にない

ちょっとゆすってみたら
不機嫌そうにこっちを向く

耳が聞こえないことをいいことに

『すき』

と言ってみた。

これが私の精一杯
 
 
 
 
 
「……先輩」
『ん?』

財前はヘッドホンをとって
私に近づく

「すき…いいました?」

目も瞑ってたし
ヘッドホンもしてたから
聞こえていたことに驚いた

でも、、
『え?いってないよ?』

しらをきる私。
でも顔にでていたわけで、

「……っふ。先輩顔真っ赤」

にやっと意地悪そうに笑う財前に
『聞こえてたの?』



すると財前は私にヘッドホンをかけて…
『………え?音…』

聞こえない。


「まるぎこえっすわ、先輩の告白」


また意地悪そうな顔をする財前に
私は心を奪われてしまう



 



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テーマ「人外ファンタジー」
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