「どうしたら、いい、」


 病に侵蝕された細い体を抱き締め、肩元に埋めた呟き。
 骨が折れそうな程の抱擁に身を任せつつ、首を横に振った。


「どうにもならない。…そういう病なのだから」
「そんなこと、ない、」


 普段は明朗な声が、今は僅かに震える。
 この目は役に立たずとも。
 彼がどんな顔をしているかは、分かる。


「吉継、俺、は」
(嗚呼、三成、)

「お前が助かるなら、何でもする、」
(どうかどうか、泣いてくれるな、)

「話ができないなら俺の声をやる、」
(太陽のように、笑っていてくれ、)

「物が掴めないなら俺の腕をもげ、」
(目は見えずとも光は感じられる、)

「地が踏めないなら俺の足を使え、」


(嗚呼、吉継、
「三成、私は、


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