合理的すぎる、冷酷だ何だと言われようとも。
この手のひらだけは。
「眩しいな」
「ああ」
一日の始まりを告げる真新しい光。
それは時に終わりを告げる残酷な光。
「曹丕」
「何だ」
むしろ喜ぶべきこと。
歪んでしまった世界は、今をもって正される。
「また、会えるか?」
約束して。
もう、いかなければならないから。
そして、もうきっと、
決して守られることのない約束を。
繋いだ手と手はこれほど温かい、のに。
並んだ栗色と狐色の髪。
この大地が明るむのをじっと見ている。
握り締めた。
存在を永久に残すように。
「三成。忘れるな。」
ホラ、朝が来る。