今日は絶好の洗濯日和です。
天気がいい日は私もチヅルちゃんも
モチベーションが上がって、ケラケラと軽く笑い合いながら羽織を干していくのが常で。
散々笑いあった後は取り込んだ洗濯物を部屋まで持ちこみ、ここでもまた談笑をしながらそれらを畳んでいきます。
畳みという自然の床は、いつも新鮮でいい香りがします。
『ここの文化は、とても落ち着いていますね』
「そうなんでしょうか?」
『はい。人が斬りあってしまうのは悲しいですが・・・、文化はとてもステキです。人の心とかを和ませてくれます。私は好きですよ、このヒノモトとという国が』
「ふふ。そう言ってもらえると、何だか私が嬉しいです」
チヅルちゃんも、本当に花が咲いたように笑います。
それは周りの雰囲気まで春めかしくしてくれる、日だまりの中にいる感覚です。
面倒見も良くて・・・そうそう、私はがこの前風邪を拗らせてしまったときも看病をしてくださり、お粥もとても美味しかったんです。
「そういえば、りばいさんも大人しい方なんですよね。此処の雰囲気も好きになってくれるでしょうか?」
そんなチヅルちゃんは、どうしてかこのように良くリヴァイのことを聞いてきます。
リヴァイを脅えない方は珍しく、下手な先入観がないチヅルちゃんは話だけでも彼をとても気に入ってくれているようです。
私もなんだかそれが嬉しくて、リヴァイのことを話すときはついつい手を止めてしまうんです。
『はい!きっと好きになってくれますよ!!こちらの洋服も似合うと思います』
私は既に、ヘイスケくん(そう呼ぶように言われました)の服を一着お借りしています。
リヴァイと私はそんなに身長が変わりませんので、たぶん彼も借りるとしたらヘイスケくんかサイトウ様のものでしょう。
そんなことを考えながら、止めた手で、袖の裾を撫でたときでした。
「おいさゆき!!!今すぐ広間に来い!!」
噂をすればなんとやら。
ヘイスケくんがバタバタと忙しなく駆け込んできます。
目を丸くしてる間にも、彼は私の腕を引き上げ廊下を早足で進み始めました。
されるがままに引きずられる私は、情けなく広間へと影を落とします。
乱れた息を整えながら、部屋の中心にいて説明をするであろうヒジカタ様を探ってみると。
チヅルちゃんの足音も声も何も届かないくらいに、時が止まりました。
そうして、カラカラの喉で叫ぶのです。
少し震える力ない拳を作って。
「「「サユキ!!!!」」」
『っ・・・、ぺ、ペトラちゃん!』
「サユキィィィ〜!!!」
「「おい!俺たちは?!」」
『え、あ・・・!お二人もいらしてたんですね、エルドくんにオルオくん!』
(抱きつくペトラちゃんの肩ごしに確認すると、)
(一際小さい彼の姿は、見当たりませんでした・・・)