超次元ロボ ダイユーシャ8








「アイチちゃん、でしたっけ? 災難ねぇ……ストーカー被害が多くて家に帰れないんでしょう?」

「ええ、光定君には助けられてばかりで……」

「だから母さん、この子を家にしばらく住まわせて構わないかな……?」

「本当ならダメって言いたいけど、アイチちゃん……ご家族もいらっしゃらないなら仕方ないわ」


夕飯の食卓にはいつもよりも余計に食器が並んでいた。アイチの存在がばれた光定は見え透いた嘘でその場を繕うことにするも意外にすんなりとことが運んで逆に何か良からぬ物が待っているんではないかと考えた。

吐いた嘘はアイチが凶悪なストーカーの被害に合っていて危ないところを光定が助けたというシナリオだ。おまけにアイチは家族は海外出張で家には誰もいないという設定付きだ。

母親の物分かりの良さにある意味驚きを隠せないが、その反面少し安堵もある。しかしあの怪物達はまたどのタイミングで襲い掛かって来るか分からない。もしかしたら母親まで巻き込んでしまうかもしれない。


「でもお部屋はないからケンジはリビングで寝なさい」

「あ、そんなお気遣いは無用です!」

「アイチちゃん! 貴方は優しいから襲われるのよ? どんなに心を開いた人でも腹の中では何考えているか分からないわ!」


光定は我が家の少し濃いめの味噌汁を啜りながら話に耳を傾けた。どうやら今日はリビングを眠らなくてはならないようだ、布団の用意のことで今は頭がいっぱいだった。




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