超次元ロボ ダイユーシャ5








「た、ただいま………」

「あらケンジ、おかえり……さっき臼井さん家のガイ君が借りてた本返しに来たわよー」

「う、うん………わかった」


光定はキッチンからそう声を掛ける母に挙動不審になりながらすぐに二階の自室に入ると鍵を掛けた。ずっと手を引っ張ってそのまま放置しておく訳にもいかずに連れてきてしまった、母親にもなんて説明したらいいかなんて後先考えない行動したものだ。


「え、と………君をどうこうしようって訳じゃないんだけどね……無理やり連れて来ちゃってごめん…」

「いいえ、僕も行く宛てがなかったから………さっきは助けてくれてありがとうございます……申し遅れました、僕…先導アイチっていいます」

「僕は光定……光定ケンジって言うんだ」


蒼い髪にアイスブルーの大きな瞳が特徴的なアイチと名乗る少年は深々と頭を下げて示した。巨大だったなロボットは今はアイチの肩に乗るほどに縮小し、プラモデルのようである。
まだまだ分からないことだらけで夢を見ているような気分ではある。


「で、アイチ君は一体……」

「僕は……この星の人じゃないんです……、本当は僕と後三人で逃げるはずだったんですが…はぐれちゃって、みんなと連絡、とれなくて……」

「逃げるってさっきの黒いドラゴンから……?」

「はい……狙いは僕なんですけどね…」

「こんなこと言うのもあれだけど、君はなんで追われてるの? ドラゴンが言ってたサイクオリアって………」


アイチは困惑した顔で光定を見つめていた。なんとも答えにくそうな顔に聞いた光定も少し質問した内容に後悔する。

するといきなり今まで動かなかったロボットが動きだし、アイチの肩から部屋の床に足を付いた。


『それは私から説明する』





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