※ラ/プン/ツ/ェ/ルのパロ(パラレル?)です
映画に影響されてトリャッとやっちまいました
パロと言ってもかなり捩曲げております←
原作好きな方、女体化無理な方は回れ右する事をお勧めします
どんな鹿犬も愛せるぜ!っていう心の広いお方はこのまま下にどうぞ
唐突に始まってオチもなく終わる
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何処までも続く黒
それはまるで夜の星空の様で
「お前は誰だ、ここを何処だと思っている?」
全ての思考が停止した
彼女を色に例えるならば黒
しかしそれは影や闇という意味ではない
誰もが心を引き付けられるような強い輝きを放っている
太陽よりも洗練され、月よりも鋭い、研ぎ澄まされたナイフのような美しさ
きっと彼女を見た者は神話に登場する女神がそのまま現れたと錯覚するだろう
人間が触れる事さえ許されない、そんな存在の様な気がする
「おい、聞いているのか?」
部屋の中に響く凜とした声
はっと夢から覚める
青年はやっと現実に戻された
灰色の瞳がきつくジェームズを見据えている
「見逃しては…………くれないみたいだね」
苦笑しつつ彼女を見上げる
身動きがとれない
今、ジェームズは黒い縄のような物で縛りつけられている
ロープにしては滑らかだ、と思った
足元から目で辿ると彼女の手元まで続いている
顔の辺りまで目をやると、その縄の正体がわかった
彼女の黒髪
一体何メートルあるのだろう
はジェームズ今まで、此程までに艶やかで長い髪を見たことがなかった
「君は此処に住ん…………っっ!!」
強い力でぐいっと引き寄せられて体制を崩す
かろうじて足で踏み止まり、顔から床にダイブするのは避けられた
目と鼻の先には人形の様に整った顔
注がれる視線からは逃れられない
彼女の放つ妖艶な雰囲気に呑み込まれそうになる
「もう一度聞く、お前は盗賊か?強盗か?」
「それほとんど同じだろ」
「っさい黙れ!!
その口縫い付けるぞ!!」
耳がちぎれるかと思った
この少女は口を開かない方がいい
即座にそう感じた
「応えろって言ったり黙れって言ったり、どっち何だよ」
「てめぇ今の状況わかってんのか?
このまま身包み全部引っぺがして窓から放り投げてやろうか」
「嫌ですごめんなさい」
思わず溜息を吐く
何故こんな神の芸術とも言える少女から地獄の鬼のよう言葉が発せらるのか
全くわからない
(『はいそうです盗賊なんです』
……………なんて堂々と言えるか!)
「えーと森の中で迷ってしまいまして、塔があったので珍しいなーと思い中に入りこんで見ました」
我ながら苦しい言い訳だと思う
こんな嘘に騙される馬鹿はいない
「そうか、じゃあお前は悪人ではないんだな?」
彼女の顔から目を逸らす
「はい至って善良な一般庶民です」
「わかった信じる」
「はいはいどうせ信じな…………………………えぇ?!」
馬鹿がいた
この少女は人を疑う事を知らないのか
「そっか街にいる人間は
窓から人の家に入ってくるんだな」
ほうほうと感心しながら髪を振り回す少女
そんなわけないだろうという突っ込みは飲み込んだ
常識という物を持ち合わていないのか
「君は街に行った事がないの?」
「うん、だって俺この塔から外に出た事一度もないもん」
(はい?)
さも当たり前の様に話す少女
「……………一度も?」
「ああそうだ」
これは箱入り娘だとかそういうレベルではなさそうだ
道理で彼女の肌は白過ぎると思った
黒い髪と比べるとより一層強調される
「ふぅん………」
深く追求はしなかった
多少興味はあったが自分には関係のない事
今日限りの縁
丁度手足に巻き付いていた髪も緩くなっていた
このまま逃げだそう
「邪魔して悪かったね、じゃあ僕はこれで…………」
そろりと窓の枠に足を掛ける
これで終わり
繋がりもぷつりと切れる
はずだった
「待、て」
ずどん
「え」
後頭部に激痛が走り、視界が一回転した
ジェームズを引き止めたのはあの黒髪
器用にも彼女は後ろを向いたまま自分の髪をジェームズの足にしゅるっと巻き付けたのだ
「お前ずっと遠くから来たんだよな?」
痛そうに頭を摩っているジェームズに近づいていく
悪戯を思い付いた様な笑みを浮かべて
「そう………だけど?」
「お前、名前は?」
「プロングズ」
咄嗟に偽名を出した
仲間内で使ってる呼び名
「そうか、俺はシリウスだ」
シリウス、恒星の内で最もまばゆい光りを放つ星
正に彼女そのものだ
シリウスは楽しそうにジェームズを見詰めた
「プロングズ、俺をこの塔から外に連れ出せ」
ぐるぐる絡まった長い髪
もう逃げることは出来ない
僕と彼女の運命は絡み付いてしまったのだから
(つかまえた!)
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にょたシリごめんなさい
やっちまいました
軽く説明入れると盗賊のジェームズが追われて塔の中に逃げ込んだって設定です
シリウスは小さい頃からずっと塔の中で暮らしてきました
にょたシリの美しさを表現したかったのです
でも中身はやっぱりシリウス
続くかどうかは気分次第
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