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ジャンが達が倉庫を漁っている、エミリーはエレンが居ないことと先ほどの巨人が気になってそれどこれではなく壁にもたれながらずっと考えていた。



あの巨人は、どこから来たんだ。壁が破れて一緒に入ってきたのか、ここに集まってきた巨人につられ殺しながらこの場所に?


「あったぞ!!」


考えていたエミリーの耳にジャンの声が入り視線を向けると木箱をいくつか抱え出てきた。


「エミリー補佐官が言った通り憲兵団管轄の品だ」

「使い方はわかる?」

「一通りは訓練で、空砲でしたが」

「そうだったわね」

「そもそも、この鉄砲は巨人相手に役に立つのか…」


皆が思っていた不安要素をこぼすジャン、それを聞きアルミンが今回行う作戦を話始める。今回の作戦は1回のみの攻撃で全てが決まる。現段階で巨人が7体のみの場合上位10名だった訓練兵に託される。


「エミリーは外で奇行種が暴れているとはいえ、入ってくるかもしれない予期せぬ事態に備えてほしいんだ。やり損ねた場合に加勢してほしい。」

「わかった」

「全員の命を背負わせてしまって…その…ごめん」

「そもそも私の責任なんだから、アルミンが謝らなくていい。私の行動でこの場にいるあなた達を危険に晒すことになった。

責任には私がある、この作戦で何があっても私が絶対に今いる巨人をなんとかする。だからそんなに気負いしないで」

「問題ないね」

「誰がやっても失敗すれば全員死ぬ」

「でも、僕なんかの案が」

「アルミン、」

エミリーがアルミンの横にしゃがみ込み優しく声をかける

「あなたは正解に導くことができる判断をもった人なんだよ。あなたが考えた案でさっきも切り抜けてきたんじゃないの?」

「これでいくしかない。時間もないし。もうこれ以上の案は出ない。」



リフトの用意ができ、鉄砲の装填を終え銃を持った訓練兵たちが次々とリフトに乗り込み選ばれた7名は階段で降りていくエミリーもその後ろを静かに降りて行きく。先にリフト組が到着し巨人を確認する、その後ぞろぞろと刃を持った8名が木の柱に立ち待機する。



リフトにいる人間めがけて歩みをすすめる巨人たち十分に引き寄せ、銃口が1mも満たない距離まで待機しマルコの号令で一気に巨人めがけて火をふく


巨人全員の視界を奪い柱に潜んでいた兵士が一気に切りかかる。



サシャとコニーの2体を外したのをエミリーが確認した瞬間、キンッとアンカーを壁に差し立体起動を吹かせ転げ落ちたコニー側の巨人の項に片方のアンカーを刺して項を削ぐ、サシャへの向き倒れこんだ巨人の頭部にアンカーを差し替え背中に飛び乗り項を思い切りきる。



「早く立つ!いつまだ入ってくるかわからない!急いでガスの補給をしなさい!!!」


サシャは泣きながらエミリーに跪き抱き着く、コニーはその隣でエミリーに土下座をしていた。


エミリーは巨人が入ってこないかずっと入り口の上で見張っていた。全員が補給が終わるのを待つために


「エミリー補佐官準備できました!」

「おっけー、出るよ!外に出てたら壁の上に上りなさい最後尾は任せて。合図をしたら一斉にでなさい!」

「ハイ!」


一度外に出て外の様子を確認しエミリーの合図で一斉に訓練兵たちが外めがけて飛んでいく。


エミリーは外で暴れていた巨人を思い出し、壁ではなく家屋に上り先ほど暴れていた巨人を探す。壁の上に行く様子のないエミリーにミカサがエミリーの横に立つ


「エミリー、逃げよう。」

「ミカサ…あなたがあの巨人を連れてきたのよね」

「あの巨人…」


ミカサの後に続きアルミン、ライナー、アニ、ベルトルト、ジャンが同じように様子を見に来る


暴れていた巨人が複数の巨人に体をかじられていた。


「…エミリー。どうかしてあの巨人を解明したい。」

「同感だ」

ライナーがミカサの提案に同調する

「気持ちはわかるわ、でも今あの場に私たちが行くにはリスクが大きすぎる全滅しかねない」

「だが、あのまま食われたら何もわからないままだ」

「一理あるわね、ここに居る皆であの巨人の周りにいる巨人を始末してあとはどうするの。

延命して突然私たちめがけて攻撃して来たら?

全滅コース一直線よね?

あの巨人が私たちの思い通りに動いてくれるとは思えない。」

「それは…」

「例えば、あの巨人が味方になる可能性があるとしたら、どう。どんな大砲よりも武器になると思わない?」


アニが珍しく自分の意見を言うので一斉にアニの方を見る。アニはエミリーを真っ直ぐ見つめながら聞いてくる


「あ?味方だと本気で言ってんのか?」

ジャンは意味の分からないことをいってるアニを不審な目でみる


「ちょっと待って…整理させて。あなた達はあの巨人の解明のために…ここに居る皆の命を捧げろというのね。そういうことよね。あの奇行種を巨人から守り、いつこちらを捕食対象に変わらない相手を守り、その上今の戦力であばよくば捕獲して巨人の解明する第一歩に近づき。人類の勝利の為に、心臓をささげる。ここで何人が死のうがいいや死なせない…私が皆を死なせない。」


エミリーは混乱し頭を抱えながら、ぶつぶと呟くその様子を訓練兵たちが心配そうに見てるとトーマスを食った巨人が、例の巨人に近づいていく。突然例の巨人が吠えながらトーマスを食った巨人めがけてドシンドシンと地面を揺らしながら体中に巨人が噛みついていようがお構いなしにとびかかる。



エミリーは伏せていた顔をあげ例の巨人へと視線を移す。


両腕が巨人に食いちぎられながらトーマスを食った巨人の項にかみつきそのまま噛み上げ巨人めがけて投げ飛ばし引きちぎった。


「項を…今、狙ったの…。狙って投げた気がした」


投げ飛ばした後、また吠え蒸気と共にその場に倒れこんだ。その様子をまだ見つめる。


「え…、」


蒸気の中から見覚えのある影が浮かび上がり、上半身が露になる。エミリーとミカサがその影を確認し倒れこんだ巨人めがけて飛んでいく。


「エミリー!」「ミカサ!」


倒れかりそうになるエレンをミカサが支えその後ろからエミリーが支える。エレンの後方に回り後ろから心臓の音を聞く


動いてる。あったかい、生きてる。エレン…エレンよね…


ミカサが泣きながらエレンを抱きしめその場で泣き崩れる。



「ミカサ、移動しよう。この場所だと危険よ。補給所に行こう」

「うん…!」


泣きながらエレンを抱え補給所の上に上る。アルミンが驚きながらもエレンの全身を凝視し涙をながす。服がない方の腕を取り自分の手と重ねる。





「……一体、どういうこと…。」


アルミンとミカサの様子をみれば、エレンは死んだと判断されたのでしょうけど。ミカサはエレンの事になると自暴自棄なるのは目に見えてる。補給所に到着したとにき命を放棄したといっていたから。エレンが関与してると思ってた。



これからはエレンの処遇が問われるだろう。


「エミリー補佐官…どうしますか」


ジャンはエミリーに近づきこの後の対応を聞いてくる。


「アニ、ジャン、ライナー、ベルトルトあなた達は本部に戻って指示を貰いなさい。」

「エミリー補佐官は…」


















「ここからは私の判断でミカサとアルミンを一緒にエレンを連れて行くわ」


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