22
深夜に起きた出来事はきっと疲れていて、凄いリアルな夢だったんだと思う。
いつも通りの時間に起き、支度をし。扉を開け出たら、同じタイミングでエルヴィンも扉から現れた。
「おはようございます」とエルヴィンの隣に立ち一緒に行こうとするエミリーを見下ろし微笑み。
「えらく、幸せそうだな」
「そう?いつもと変わらないよ?」
エルヴィンは少し考え「あんな嬌声でか?」と耳元で言う。
エルヴィンの方をガッと見上げ、目を見開く
「私への当てつけだろうリヴァイの」
返す言葉がなく、色んな感情が押し寄せ考え込むエミリー。その様子に見兼ねエルヴィンは「君が幸せなら、私はそれでいい」と頭をぽんと撫でる。
「ありがとう……。」
「だが、流石に集中出来ないから程々にしてくれ」
「ごめんなさい」と深々と頭を下げる
「体調は大丈夫か?」
「はい。」
歩きながらエルヴィンと今後の話をし、私は訓練所へ。エルヴィンは会議へ向かう。
「私、当分向こうにお世話になることにします。あと1ヶ月だし。」
「君に任せるよ、身体が資本だ気をつけてくれ」
エルヴィンと別れ、繋ぎ馬に向かうとリヴァイ班のエルドとオルオが清掃をしていた。
「なんだか、久しぶり!」
といい、2人に抱きつくエミリー
今日はテンション高いっすねとオルオが顔を緩めながら抱きしめ返そうとする手をエルドが引っ張り剥がす。
「いつになったら、みんなと一緒に壁外いけるんだろね」とボソッと寂しそうに言うエミリーにエルドが
「俺たちはエミリーの事同じ仲間だと思ってます。どんな形でも同じ気持ちで共に戦ってると信じてます。」
「エルド……ありがとう!!」
「エミリーさん、ペトラが寂しがってたっすよ」
「ペトラには埋め合わせしなきゃなぁ。」
「お前ら、随分と楽しそうだな。」
エミリーの声が聞こえリヴァイが3人の元へ近づいてきた
「リヴァイ兵長。」
エルドとオルオの顔が強ばる
「ねー、そうやって部下を萎縮させるのやめなよ」
「俺は何もしてねえ」
エミリーは自身の馬を連れ兵舎の入口へ向かう、その横をリヴァイが一緒に歩く
「あんな、睨んで言われたら。誰だって萎縮しちゃうでしょ」
「睨んでねえ、元々だ」
「まぁ、リヴァイがヘラヘラしてる方がこわいか」
といいながら馬へ足をかける素振りをみせると「腰痛くねえか」とエミリーの腰に手を回し、顔を近づける。
エミリーはその手を払い除け「リヴァイ兵長?リヴァイ班がお待ちですよ?」と満面の笑みで言い返し、馬へ跨り兵舎を出る
「リヴァイ、リヴァイ班のみんなを虐めないでね。掃除とか!」
兵舎を出る前に、ふざけた様子で叫び訓練所へと向かっていった。
いつも通り、体力作りのため走っていると。キース教官に呼び止められ。育成・教育だけでなく、採点みもお願いしたいと頼まれた。知識もの能力も足りていない私ができると思えず「私は力不足です」と断ると
「お前は自分の実力を下に見る癖がある、まあ。そのお陰で今の実力が身についたのだろう。今回の訓練兵の癖や性格等でいいお前の洞察力を借りたい」
「そこまで言って頂けるのなら」
「訓練兵が入団した際名簿を渡す、初日から頼む」
「分かりました。」
その日は、訓練を途中で切り上げ。キース教官の机仕事を手伝った。エルヴィンより悲惨な状態で重要なもの以外はエミリーが処理していいと言われ、後日エミリーの判が作られるようになった。
キースが不在時はエミリーに書類を渡すよう、職員会議でも通達された。午前中は机仕事、午後から訓練兵という日が日課になり。
教官に「部下を付けたらどうですか」と提案するが「お前みたいな奴だったら考える」と流された。
教官の部屋の奥にエミリーが使う用の机が置かれその横に小さな本棚が並び。備品管理、歴代名簿、その日のスケジュール、訓練内容、今期個別評価など訓練兵に関わるものを任された。
机仕事は嫌いじゃない、雛形をつくり今後記入しやすく管理しやすいようになりキース教官が楽になるのであれば私がここに来た甲斐がある。
紙で溢れかえっていた部屋が落ち着き、机のそこが見えるまでなった時は達成感を感じた。
「エルヴィンが今頃苦労してるだろう、優秀な部下を奪う形になってしまったな」
「私は嬉しかったですよ、訓練兵と一緒に訓練出来るので」
「お前はそんな事せずとも自ら訓練するだろ」
「1からどんなことしてるのか見たいじゃないですか」
「まあ、お前の為になるか分からんがな」
といいコーヒーを口にする。
エミリーは、その日以降ほぼ調査兵団兵舎には帰らず非番の日に荷物を取りに帰り、訓練兵舎で寝泊まりをして過ごしていた。だが、明日は非番。リリアが居なくなり非番の日は1人で過ごすことが増えた。
明日は1人でお菓子巡りでもしようかな。
一日が終わりキースの計らいで今日はもう帰っていいといわれ、書類を一通り目を通したら調査兵団兵舎へ帰る支度をしていた。
壁が破られ日以降エレン達に会ってない、帰ってシャワー浴びて会いに行こう。
兵舎に戻り、先日ペトラと出かけた時に買った服に着替えトロスト区へ向かいトロスト区門兵に3人の名前を伝え居場所を聞くと快く案内してくれた。
ウォールローゼ内の避難民の集合住宅で3人は暮らしている。
「エレン・イエーガー
アルミ・アルレルト
ミカサ・アッカーマン君たち3人に来客だ」
3人が呼ばれ、仕切られた部屋から重い腰を上げ入口へ向かってくる。
「久しぶり、3人とも。大きくなったね。」