05


エルヴィンの部屋からここ最近憲兵団の出入りが多い気がする。

気のせいじゃない、壁外調査などバカがやることだと見下してる憲兵団様がわざわざエルヴィンの部屋まで足を運んで何しに来てるんだろう。



さっきも、この部屋前で憲兵団とすれ違った。



「エルヴィン、憲兵団と仲良しだったけ?」



エルヴィンの、部屋で書類と戦いながら気になってる事を聞いてみた



「悪くは無い」



「なんか最近、憲兵団行き来多いよね。スパイでも雇ったの?」


「そうだと言ったら?」



少し口角をあげながら楽しそうに私を見る



「冗談に聞こえないからやめて」


私の返答に満足したのか、書類を置き自分のコーヒー淹れにいく、私も自分の紅茶を作ろうと後を、追うようにカップを持ち隣に立つ





「地下街で、立体機動を使う輩がいるらしい」




あぁ。なるほどね、だから憲兵団様ね。


「立体機動ってどこでもあるものじゃないでしょ」


「もちろん盗品だ」


「高値で取り引きされるもんねー」



元々地下街育ち、どこで何が取引されてるか何となくわかる。


「そして、ニコラス・ロヴォフの汚職を掴んだ」


「誰それ」




あ、思い出した。私も会ったことある。
憲兵団と仲良しこよしの貴族院議員か、調査兵団を目の敵にしてて。



集会で私に「阿婆擦れ」みたいな顔で見下してるきた人




「汚職してますみたいな顔してる奴ね、だとしたらなんで憲兵団がここに来るのよ絶対バレたくない事でしょ?」


「それとは別で拘束依頼だ」


「憲兵団様じゃ歯が立たなくて調査兵団に、なんの為に憲兵団入ったんだか」


呆れながら、紅茶をいれオレンジを切りエルヴィンの分を小皿にのせ、自分のはスライスにして紅茶へ浮かべる




「その作戦時、一緒に来て欲しい。公の仕事ではない最小限で行う」


仕事スイッチが入ったのか席に戻り部隊編成と地理について話し出した。



私は、今回の作戦を頭に叩き込む。
立体機動で逃げ回るって元訓練兵士?
地下街で立体機動を使うなんて、賢い子達だなー。




「捕獲後、調査兵団に入れようと思っている」



作戦資料を見る手を止めた



「エルヴィンは、地下街の人引き抜くの趣味なの?」



私だけが特別だった訳じゃない、たまたまエルヴィンが、私を見かけて気に入ってくれただけのこと。

いつでも、捨てられる駒に過ぎないことは理解してる。



「そんな悪趣味な趣味はない、憲兵団を何度も巻く彼らに1度あってみたいとは思う」




「それだけ?」



「それだけだ」


それだけと聞いて少しだけ満足した。



「ヤキモチか?」





「捨てられるかと思った」


光のない少し悲しそうな目で微笑みながら作戦資料を見返してるエミリーをみて抱きしめたくなったが、留めた。


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