07


あれから何度、壁外調査の見送りをしただろうか。見送るたびに毎回戻りたいとおもうけど、駐屯兵も色々武器の向上や班の意識改革など色々なことをさせてもらっている。駐屯兵にも馴染みアンカとも休みの日には一緒に出掛けることもある。



イエーガー家とも家族ぐるみで食事をしたり、エレンとミカサそしてエレンから紹介されたアルミンとも仲良くなり、職務中に見回りという名の雑談をしたりすることもある。内緒話まで参加させてくれるくらいにもなった。













異動して間もなくの壁外調査から帰ってきた際、迎えに行くと通り過ぎる調査兵士の目が忘れられなかった。私が自ら望んで逃げたかのような眼差しで「敵前逃亡者め...」と横切った兵士に言われたことがまだあの声が耳に張り付いていてとれない。



その言葉を聞き誰にも会うことなく引き返した


みんなに会いたい…
エルヴィン…リヴァイ……ハンジ……ミケ……無事だよね……?












午前中は門兵。
午後からは、書類整理かな。ここでも紙とお友達か。


エレンがハンネスさんと言い合ってるところに出くわす「やつらが壁を壊して入ってきたときだよ!!」





エレンは強いなぁ。体格も経験も倍のある大人に








同じように酒を飲んで笑っている兵士。


「ハンネスさん?何をされてるのですか?」

「エミリー!エミリーからも何か言ってやってくれ!」

「エミリー...」と気まずそうハンネスがこちらを向き同じように笑っていた人たちも急いでお酒を隠す。

「エレンの方がよっぽどここの門兵に向いてると思いますねえ。」と冷たく言い放ち「上官に報告されたくなかったら、わかりますよね皆さん?」といいエレンとミカサの手を引く





最低限の休みを取らない上、職務内容も自身で決めしっかり調査し・改善報告を行っている。日報も毎日提出し今回の交流派遣兵の職務を全うするため、現兵団の改善また取り組みなどの詳細を欠かさず提出してきた事もあり。半年でめきめきと地位と存在感を手に入れた。



在籍兵士からのやっかみも多いが、それはどこに行っても付きまとうモノだとしていて。全く気にしておらず、逆に女性兵士の処遇改善など提案にあげたこともあり、女性兵士からは羨望の眼差しでみられることが多い。在籍兵士が多い分と色々問題が多すぎてエミリー自身こんなにも管理されてないものなのかと感じた。






「エレン。ミカサごめんねー。後でしっかり話しておくから...」


エレンは「なんであんな家畜みたいなことができるんだ」と悔しそうな顔をしながら手を放す


「エレン...調査兵団はやめたほうがいい」ミカサも手を放しエレンの方を見る。


「そうだよー!」と私も便乗する。

「なんだよ、お前も調査兵団をバカにすんのか?エミリーだって調査兵団じゃねーか」




鐘の音が鳴る



え、こんなに早く帰ってくるなんて。何かあったのかと思ったが、私の足は重くイエーガー宅へ向かう



「エミリー!調査兵団が帰ってきたんだ!」といい私の腕とミカサの腕をつかみ正面門へ走る


私はエレンの隣に立ち彼らの姿をみて驚愕した。数か月離れただけで、こんなにも変わるものなのか。エルヴィンと目が合う


「ぁ...。」

エレンがこっちを見たと喜ぶが私から視線を逸らしたことに気づく。


あぁ、そっか。私はもう戻れないのかもしれないのかもね。と笑い肩の腕章を強く握りしめ俯く。












「何の成果も得られませんでした!!!!!」













キース団長の悲痛な声を聞き、今まで戦死していった仲間が私の脳裏に一気に甦る。私は、こんなところで何をしてるんだ。なにが交流派遣だ。私の命でなにかわかるかもしれないのに、巨人への真相があるかもしれないのに。








エミリーが考えていたら、エレンが調査兵団を侮辱するような発言をしていた住人に絡んでいた。私は呆れながらエレンを引っ張り住人へ謝罪をするが。男の怒りは収まらないのか、私の肩をつかみお前が責任を取れといってくるが。

腕を大きく回し相手の腕をひねり、男の体勢が崩れ落ちる前に支え「職務執行妨害罪に問われたく無いでしょ...子供がじゃれただけじゃない。お兄さん。」といいエレンとミカサの腕を引っ張り家へと向かう



私は2人の手を離し歩くと後ろでうわーと叫び声が聞こえドサッという音、木材が転がる音が響き振り返るとミカサがエレンを投げ飛ばしたかのような光景だった。



ええ。なになになになに。ミカサが怒ってる。


「どうしたの。」とミカサに近づき視線を合わせるようにしゃがむ、一度こちらをみてミカサはエレンの方むき。先ほどの惨劇をみても調査兵団に入りたいのかと聞き、エレンのせいでエミリーを危険な目に合わせたかったのかと続ける。



その言葉を聞きエレンはエミリーの方を向き「ごめんなさい...」と謝る。私はミカサの頭を撫で「心配してくれてありがとう」と伝えてから。エレンの木材を拾うのを手伝う。


その後無事にエレン達を家に届け、お誘いをお断りしハンネスのところへ向かう。






















「ハンネスさん。」


「なんだ説教か?わかってるよ。」と鬱陶しそうな顔で作業をしている。


「どうすれば、エレンを諦めるよう説得できるんでしょうか」その言葉を聞きバッと振り返り驚いた顔をしながら私の事を見てくる。私が歓迎でもするのかとおもったの...私が守ろうとしてる人たちは平和に生きていてほしいだけ。調査兵団は、平和とはかけ離れてるから。


「なんですか。」

「お前が焚きつけたのかと思ってたよ」

「私はエレンの前で調査兵団の話は控えてますよ」

「意外だったな、そんなにも主張した兵服をきているのにな」

「これは自分自身への決意です。」

「そうかよ。それよりさっきのこと」

「いいませんよ。その代わりエレンにはちゃんと謝ってあげてくださいね、そんなあなたでも尊敬してるんだから。」

「へいへい。」































突然大きな雷とともに、蒸気が発生し壁が破られ爆風が起きる。一瞬の出来事だった。


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