09
リヴァイの初めて行う立体起動の訓練、フラゴン分隊長がリヴァイの態度と持ち方だの立体起動の構造などに文句を言い、聞いてるだけであくびが出そうなくだらない心がけを、ながながと私にも話してきた。心の底から私が入団時の訓練担当がこの人じゃなくてよかったと思う。
「まあまあ、彼の腕は事実ですので。今日は、一通りの流れということで。今後は私が指導しますので、ね?フラゴン分隊長」
フラゴン分隊長の前に立ち、張り付けた笑顔で言い返すとフラゴン分隊長は「そういう事にしておく。」と少し機嫌を直しリヴァイ見つめるがリヴァイは
反抗的な態度で「ようは、巨人のうなじを削げればいいんだろうが。俺は好きになせてもらう」とフラゴン分隊長を睨みながら森の中へ入っていき、独自のやり方で立体起動を扱う
その様子をみたハンジが目を輝かせ、頬を少し赤らめながらなにかボソボソと独り言をつぶやき私を見て
「エミリーが入団した頃を思い出すねええ」
「私あんなに、眼つきも態度も悪かったかしら?」
「彼は訓練してないって言ってたよね?」
「私もそう聞いてるよ、彼ら達が持ってた立体機動装置を整備したけど足りない部分もいくつかあった。なのに彼は何食わぬ顔で飛び回ってたよ」
巨人のみたてた張りぼてを配置し巨人の弱点
うなじの部分には麻を巻きつけ刃が通るように仕込んである。
それを兵士が動かし、実戦に近い動きを再現するようにできている。
リヴァイは動揺することなく、難なく巨人のうなじを削ぎ落とした。
「エミリーの飛び方と違って、彼は鷹のようだね」
「この場から居なくなってもバレないかな?」
退屈な空間にぼーっと突っ立てる暇があるなら私も訓練なり、作戦資料や目録作りたいなぁ。
「彼の相手をエミリーがしてみたら?」
「えー…ハンジが相手しなよー」
「私は専門外!エミリー現兵団でトップクラスじゃないか、憲兵団からもお誘いがあっただろ!」
以前、憲兵団の出入りが多かった時期に。憲兵団所属兵士が訓練中の私に声をかけてきて、憲兵団に入ればこういうことがあるこういうことが出来る。と大層な御託を並べ興味が全くなかった私は彼が何を言っていたのか憶えていない。
「覗き見?悪趣味だなー。」
「たまたま!たまたま見かけただけだよ」
「訓練より、巨人オタクのハンジが?たまたま?」と怪しみながら答えると、視線をそらしながらフラゴン分隊長の肩に手を置き「彼に、調査兵団の厳しさわからせましょう!とエミリーが言っていました!」
やられた。
ハンジはニヤニヤした顔でコチラを見ている。
「いい案だ、エミリーとリヴァイ。2人には立体機動を使って巨人を倒し森の奥にある兵団旗を先に持ってきた方を勝ちとしよう。」
まだ開始していないのに、疲れた顔するエミリー
リヴァイは私の前に立ち、目を合わせようとするが、エミリーは一切合わせようとはせず。フラゴン分隊長を軽く睨む。