▼花菜とその周辺(0)




花菜は絵に描いたような内弁慶。
誰にでも人見知りで、同じ所属でも…例えるなら親戚に居る全然喋らない大人しくて地味な印象の子かなあ。同期であっても大半が印象に残らないと思う。ただ、交流を重ねてくと内側の毒っぽい部分だとか。素朴で純粋な部分だとか、一見全く噛み合わないような個性が背中合わせで存在してるのが見えてくる。
人見知りだけれど、その中でも特に身体や声の大きい人、初対面で馴れ馴れしい人が苦手。異性も得意じゃなくて、騒がしい空気は嫌い。人混みは避けたい派。
あとねちっこいから一度された嫌なことをずっと根に持つよ。

花菜の「苦手」部類に入る一心さんだけど、数回嫌な構われ方してからは彼女の中で…なんていうか…敵?としての地位を確立してると思います。一心さんが近付いて来たらとりあえず「…何?…なんか用…(嫌そうな顔)」露骨に見えない防御壁出現させて身構える花菜。
体の大きな男の人というところで既に関わりたくない部類なのに、いきなり脇の下に手突っ込まれて持ち上げられて「ほーら梔子高いたかーい」とか絡まれるの心の底から理解できないし死ねって思ってる。口にも出す。
一心さんの高い高いテロ…(笑)
持ち上げられた瞬間ビクッとして呆気に取られた表情で固まるけど、自分の身に何が起きたか理解するとワナワナ震えつつ赤面して「死ねッッ!!!!!」って普段使わない声帯フル稼働させて叫ぶ。
叫ばれた当人は「ははは、梔子ってあんなデカい声出すんだなー」って余裕で旭くんに呆れられるらしいです。すかさず蹴りを繰り出してしかし彼の強靭な筋肉に逆にダメージ食らった花菜に「この…妖怪…筋肉…!」て捨て台詞吐かれてればいいよ。

彼なりに可愛がってはいるけど何一つ伝わってないし伝える努力もする気が無い一心さん?
個人的には普段から目で追ったりしてそう。恋愛感情っていうのではなく、視界に入った小動物を目で追ってるって意味で「はは、ほらなんか可愛いのが居る」て指さした先にのっぺりとした表情でいちごオレ啜る花菜って図。
まぁけど花菜は一心さんのこと本気でキライだと思います。花菜からは全然分からないし理解できないって感じだけど、一心さんからは興味の対象としてベクトルが出ているという関係性かな?

あと、花菜が水原司令をこんなに大好きな理由はなんだろうって考えた時、一番しっくり来たのが「花菜の中で水原司令が神格化してる」でした。
この子にとっての司令って、多分究極の理想だと思うの。
尊敬と憧憬を抱き合わせた、自分の理想と願望を裏切ることがない信仰対象というか、自分がこうだったら素敵だなあっていう最高級の存在?
別に取って代わるつもりなんてないけど、例えるなら思春期の女子が命捧げてもいいくらいハマったバンドのボーカルというか…いや何か違うかな。とにかく、穢してはいけない聖域くらいの存在なんですよ。
だからもし凛子さんに彼氏ができたり、結婚したりしたらめちゃくちゃショックを受けると思う。しばらくその事実を受け入れられない。
なんだろうなー、アイドルの信者ってのともまた違う気がするけど、おおよそ近いところで心酔してるんだろうなって感じる。
実際、今の花菜の個性とか能力を見出したのは凛子さんで、凛子さんの采配じゃなかったら花菜は前線なんて出て来なかっただろうし、遊撃部隊として活躍することもなかっただろうし、それに花菜を使ってくれたのが凛子さんじゃなかったら早くに野垂れ死んでたような気がする。
それくらい凜子さんに今の部隊に配属させられたのが花菜にとっては重要な転機になってるんだよなあ。
そりゃあ後悔したり、やっぱり戦場はきつくて沢山泣きべそかいて、傷ついて、向いてないし無理だって何度も何度も強く思って逃げたくなるんだけど、それはそれ。司令への特別な憧れはそういうものは別物としてやっぱり存在してる。

あと、部隊に少しずつ打ち解けてきて、今が花菜にとって大きな力を持ち始めてるんだろうなって。花菜はまだまだこれからの子ってかんじ。
これから大切なひとができたり失ったりして変化してく過程のキャラクターかなあってここまで考えて強く感じ始めたよ…。
中ちゃんや、旭くんや、敦朗も、花菜にたくさん影響を与えてくれる存在ですよ。火野くんはまだちょっとよくわかんないですね(笑)

いちかさんも言ってくれてたけど旭くんはお兄ちゃんだよね。普段は邪険にして辛辣に当たるけど。脱ぎ散らかした服とか鞄とかみて「ちょっと…邪魔なんだけど…」って拾って投げるの。投げつけられた靴下頭に乗せたまま「今日の当番花菜?これも一緒に洗っといてくれよー」「旭のくつしたと…私の服を…?無理すぎるんだけど…」「何が無理だよ!一緒だろ!」みたいな会話する旭花ちゃん。
本人はそう意識してないけど、多分旭くんの前では二割増しくらいでよくしゃべってる。
でも旭くんがなんか元気なかったり様子がおかしかったら気になって仕方ない…お年頃です…。素直じゃないからありがとうも大丈夫?も言えない…。そんな旭花尊い。







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