かたまり(プリマととある男)


その男は私を一瞥すると鼻で笑った。気味の悪い視線を感じる度に私は目の前の男の腹にナイフを突き立ててやりたくなるけれど、おとなしくその視線に耐えていた。
男はまた鼻で笑った後、女なんて肉の塊なのによく男に紛れて仕事ができるなプリマヴェーラと言った。男の吸っていた薄汚いタバコの煙が私の体を舐めまわす。気持ち悪い。じゃあアンタは酒とタバコの煙でできてるじゃない。私は我慢できなくなって目の前の脂肪の塊にナイフを突き立てる。鈍い音がした。あら、液体と煙だけじゃなかったのね。私はそう呟くと目の前の脂肪の塊を鼻で笑ってやった。





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