自己嫌悪のおじかん(スプレとコリス)


お姉ちゃんは私よりも強くて私よりもかっこよくて私よりも私の仕事ができた。
お姉ちゃんは私をやればできる子と言った。私はちゃんとやってるのにできない子と主張したのにお姉ちゃんはそれを全部否定した。全部できちゃうお姉ちゃんにはわかんないよ、と言うとお姉ちゃんは必ず笑った。お姉ちゃんは私を馬鹿にしてるんだ、と私は下唇を噛んだ。

例えば私がお姉ちゃんだったら…なんて考えてしまうあたり私も重症である。お姉ちゃんへの嫉妬嫉妬嫉妬、ああ、なんて恥ずかしい人間なんだろう私は。私の中の雨はずっとやまない。もうずっとだ。私はふと傘を取り、ささないままに外にでる。空から振ってくる大量の水滴は私の嫉妬の心に似ていて、眼前に広がる海に落ち溶けていく。嫉妬でできた海なんて気持ち悪い。私は傘を開く。

なんだ、簡単に弾くじゃないか。私はそうやって自分を慰めると嫉妬の海に涙を一つ落とした。





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