瞬きは花の咲いた音(ハヤエリ)
(11/08 23:22)
「あなたは、何が目当てなのですの」
「…どういう意味です?」
「いえ、なぜあなたが私に好意を抱いたのか、気になっただけですわ」
こんなわざわざ、カントーまでいらして。もしかしてあなたが会いたいのはアンズさんじゃなくて?なんて私が言うとハヤトさんは困ったように笑いました。
「疑われてますね、俺」
「当然でしょう?あなたのことなんて信用できませんわ」
「あはは」
私は花瓶に花をさしながらまた、信用できませんわ、と呟きました。するとハヤトさんは私の生けた花を、ゆっくりと撫でました。
「でもこうしてジムに入れてくれるじゃないですか」
「むっ…、」
「納得できないなら、あなたの花を見に来てるってことで」
「…まあそれならいいでしょう」
では、次会うときはここにある花の名前、全部覚えてきてくださいね。そういうとハヤトさんは、また、困ったように笑いました。
「ちなみにアンズは友達ですよ」
「…聞いてませんわ」