空き缶(オデン) (11/05 22:43)


「それ何本目?」
「…三本目」

自販機で買った缶コーヒーをひたすら飲み上げ、空き缶を机に積み上げる。
俺はまた缶コーヒーブラックと書かれたボタンを押すデンジを見て、ため息を吐いた。

「おいしい?」
「別に」
「じゃあなんで」
「なんとなく」

話している間にも缶コーヒーは四本目に突入していた。よくわからんが、体に悪そうだ。

「目標は?」
「十五」

こいつ死ぬんじゃね?

「わかった、わかった。俺も飲む。体壊すからな」
「…えー…」
「じゃあせめてカフェオレにしてくれ!」

オーバ何心配してんの?と嘲笑うデンジを見ながら俺も缶コーヒーブラックのボタンを押した。

「よく考えれば、これだけカフェインとれば」
「ん?」
「…今日は寝れないな…」
「…ああそう。デンジ、じゃあなんで飲んでるんだ」
「ってことで俺はコーヒー飲むのやめる。コーラにする」
「おいコラ待て!…余計体壊すぞ」

なんやかんやで高く積み上がった缶を見上げながらデンジはまた、何心配してんの?と笑った。なんやかんやで心配してしまう俺って何なんだろう。空き缶が転がる音がした。







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