魅力的な孤独(ミクアス) (01/18 00:53)


燃えるような赤い髪の彼女は、女らしさなんて捨てたように足を開いて座っていた。とあるカフェの一角で、私はそれをぼんやりと眺めていたが彼女はそれに気付いてないらしく、無防備な笑顔を顔前にいるツツジにふりまいている。

「で、アスナは好きな方なんていらっしゃらないのですか?」
「うーん…。今はジムで忙しいから分かんないかな」
「…気になる人も?」
「ごめんツツジー。私そういうの疎くってさー」

照れくさそうに笑う彼女はとてもかわいらしかった。なるほど、脈なしか。なんて少し残念に思いながら、ようやく私は立ち上がり彼女達の話に交ざろうと思った。コチラに気付いたのか、ツツジはにこりと笑い手を振る。アスナは何故かびっくりして大きく開いていた足を急いで閉じて目の前にあった湯気の立つ紅茶をごくりと飲んだ。そんなに焦らなくても、と思ったが私はツツジに手を振り返した。やはり脈なしのようだ。

彼女の赤い舌は、やはり火傷していた。







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